2022年11月28日(月)

BBC News

2022年11月1日

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インド西部グジャラト州の川にかかる歩行者用のつり橋が崩落 し、少なくとも141人が亡くなった事故をめぐり、州警察は10月31日、9人を逮捕した。

逮捕されたうち4人は、この橋の保守会社の従業員だという。

モルビの町を流れるマチュ川にかかる橋は崩落当時、数百人が渡っていたという。現場で撮影された映像では、部分的に水没した橋に大勢がしがみついている様子が見える。

これ以上の生存者発見は絶望的とみられている。亡くなった人のほとんどが、女性や子供、高齢者だったという。

全長230メートルの橋はインドがイギリスの植民地だった1880年に建造されたもので、地元ではジュルト・プール(つり橋の意味)と呼ばれ、観光名所になっている。修復工事を数日前に終えて再開したばかりだった。

保守会社に疑問の声

警察によると、逮捕された9人は全員、この橋の保守・運営に関わっていたオレヴァ・グループの関係者だという。9人には、殺人罪には当たらない過失致死罪の疑いが持たれている。

オレヴァ・グループは逮捕についてまだ声明を発表していない。

それ以前には、同社の広報担当者が現地紙インディアン・エクスプレスの取材で、「詳細な情報を待っている最中だが、とりあえず、橋が崩壊したのは中央部分に大勢が集まり(中略)橋を左右に動かそうとしたからだ」と述べている。

オレヴァ・グループはかつて、「世界最大の時計メーカー」と名乗り、それ以前は照明器具や電池式バイク、家電やテレビセットなどを製造していた。こうした企業がなぜ橋の保守点検を任されたのかという疑問の声も上がっている。

また、橋の通行再開前に安全点検が行われたかどうかという懸念もある。

崩落は現地時間30日午後6時40分ごろに発生。当局は崩落当時に橋の上にいた人数を明らかにしていないが、400~500人が渡っていたと推測されている。

当局によると、177人以上が救出された。

BBCグジャラト語のロキシー・ガジェカル記者によると、31日には国や州の災害救助隊が何十隻ものボートを出して生存者の捜索に当たり、インド海軍のダイバーも現場に待機していた。

また、クレーン4基でつり橋の残骸を引き上げ、橋の下に閉じ込められた遺体を探した。

若い男性はBBCの取材で、30日の夜から6歳の妹を探していると泣きながら話した。

「橋が崩落した時には妹の手を握っていたが、2人とも川に落ちた。私は助かったので、妹をあちこちで探している。政府の病院にも行ったが、どこにもいない」

事故当時に橋の上にいたプラティーク・ヴァサヴァさんは地元テレビ局に、水の中に落ちてから川岸まで泳いで助かったと話した。自分の周りで複数の子供も水中にいたため、「助けて泳ぎたかったが、沈んでしまったり、流されてしまったりした」という。

崩落前に撮影された動画では、大勢が乗ったつり橋が揺れ、人々が橋の網部分につかまっている様子がうかがえる。

また崩落後には、救助が行われる中、多くの人が橋にしがみついていた。壊れた橋の網部分をよじ登る人もいれば、川岸まで泳いでたどり着く人もいた。

31日朝には、救助隊が橋から500メートルほど下流にある小さなダムを開放し、流れを抑えた。ダムにかかる橋は、親しい人の安否を待つ人たちであふれかえった。

地元グジャラト州を訪れていたインドのナレンドラ・モディ首相は、「この悲劇に深く悲しんでいる」とコメント。遺族や負傷者への補償を約束した。

一方、野党からは通行再開からたった「5、6日」で橋が崩落した理由や、誰が大勢の通行を許可したかなどについて司法調査を行うべきだとの声が上がった。

英語記事 Morbi bridge collapse: India police arrest nine after disaster

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c030ejpk8x3o

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