2022年11月28日(月)

BBC News

2022年11月4日

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パキスタンのイムラン・カーン前首相(70)が3日、東部ワジラバードで抗議デモの行進中に銃撃され、脚にけがを負った。命に別状はなかった。

カーン氏が率いる政党、パキスタン正義運動(PTI)の広報担当によると、銃弾はカーン氏のすねに当たった。側近らによると、カーン氏の容体は安定しているが、手術を受ける可能性があるという。

この襲撃事件で1人が死亡、カーン氏の他に少なくとも5人が負傷した。

襲撃の動機に関して公式なコメントは出されていない。カーン氏の支持者らは、暗殺を図ったものだったとしている。

カーン氏は当時、首都イスラマバードまで続く予定だったデモ行進を先導していた。早期の選挙を要求するものだった。

容疑者の「告白映像」

警察当局は、カーン氏を殺害しようとした容疑で男性を逮捕し、犯行を告白する様子だとする映像を公開した。

その中で容疑者は、「彼は国民を誤った方向に導いていた。彼を殺したかった。彼を殺そうとした」と述べている。この時の取り調べが、どのような状況で行われたかは不明。

カーン氏の側近で広報担当のラウーフ・ハサン氏は、BBCワールドサービスの番組「ニューズアワー」で、今回の襲撃にはパキスタン政府が「直接的に関与」していると非難した。

ハサン氏はまた、政府側が公開した容疑者の告白映像を「粗雑な隠蔽工作」と断じ、政府は「物理的に(カーン氏を)排除しようとしている」と述べた。

BBCはこの告発について、パキスタン政府にコメントを求めている。

現場の映像と目撃談

現場のビデオ映像によると、発砲があった当時、カーン氏は支持者らと一緒に、トラックが牽引(けんいん)するコンテナ車の上にいた。カーン氏は身をかがめ、周囲の人々が同氏を守ろうとした。

別の映像では、銃撃の後、右脚に包帯を巻いたカーン氏が、意識がはっきりした状態で車でラホールの病院に運ばれていく様子が見て取れる。

顔に包帯を巻き、服に血がついているPTIのメンバーも映っており、カーン氏とすべての負傷者のために祈るべきだと言っている。

襲撃を目撃した現地ジャーナリスト、ゾライズ・バンガシュ氏は、「突然、銃声がして、9ミリ口径のピストルを持った人がいた。彼は何発か撃ち、不幸にもPTI指導部とカーンの脚に命中した」とBBCに話した。

バンガシュ氏はまた、「その人物はPTI支持者に取り押さえられた。逮捕され、連れ去られた」と述べた。

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事件を受け、シャバズ・シャリフ首相は銃撃を非難し、直ちに捜査するよう命じた。アリフ・アルヴィ大統領も、「凶悪な暗殺未遂」だと述べた。

カーン氏はここ7日間、新たな選挙を求めて抗議デモ行進を率いてきた。そうしたデモは今年2回目だった。

政府は選挙について、予定通り来年実施すると繰り返している。

パキスタンの選挙管理委員会は先月、クリケットの元スター選手から政治家に転じたカーン氏から、公職に就く資格を剥奪(はくだつ)した。

カーン氏は、外国要人からの贈り物の詳細と、それを売却したことによるとされる利益を正しく申告しなかったとされていた。贈り物には、ロレックスの腕時計、指輪、カフスボタンが含まれていた。

パキスタンでは長年、政治家が暴力によって死傷する事件が起きてきた。最も有名なものとしては、2007年にベナジル・ブット元首相が市民集会で暗殺された事件がある。

(英語記事 Imran Khan survives deadly Pakistan rally shooting

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63509082

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