2022年11月28日(月)

BBC News

2022年11月4日

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英イングランド銀行(中央銀行)は3日、政策金利を2.25%から3%に引き上げた。33年ぶりの高水準で、イギリスが統計開始以降で最長のリセッション(景気後退)に直面していると警告した。

発表の中でイングランド銀行は、イギリス経済は「非常に困難な」2年間の停滞に見舞われる可能性があると指摘。失業率は2025年までに現在の2倍近くになるとの見方を示した。

同行のアンドリュー・ベイリー総裁は、イギリスの家計にとって「厳しい道のりが」待っていると警告。イングランド銀は「今後状況がさらに悪くなる」見込みだったため、いま動くしかなかったと説明した。

イングランド銀の発表は、政府が17日に秋季予算発表を控える中で行われた。この日、英ポンドは対ドルで2%下げたほか、政府の借り入れコストは上昇した。

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生活費の上昇率が過去40年で最高を記録する中、イングランド銀は利上げで価格を抑えたい方針だ。

イギリスではロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、食品とエネルギー価格が急騰。多くの家計が困難を強いられ、経済停滞を招いている。

リセッションとは、2四半期連続で経済が縮小した状態を指す。

リセッション下では通常、企業の収益が下がり、賃金が下がり、失業者数が増加する。これによって政府が保健医療や教育に使える税収も減ってしまう。

イングランド銀は以前にも、イギリス経済が年内にリセッションに陥り、来年いっぱいは続くとの見方を示していた。

しかし同行は今回、今夏にはすでにイギリス経済の「困難な」縮小が始まっていたと指摘。これは2023年だけでなく、総選挙が予定される2024年上半期まで続く可能性があると述べた。

これはイギリス史上最大の経済の落ち込みではないものの、1920年代以来の長さになる見通しだという。

イギリスの失業率は過去50年で最低水準だが、イングランド銀は6.5%近くまで上昇するとみている。

減税案がイギリスの地位を「損なった」

イングランド銀による利上げは、リズ・トラス前首相とクワジ・クワーテング前財務相が9月に大規模な減税政策「ミニ・バジェット」を発表して以来、初めて。

450億ポンド相当の減税を掲げたこの政策は英ポンドの下落や市場の混乱を招き、イングランド銀も介入に踏み切った。ミニ・バジェットはその後、後任のジェレミー・ハント財務相によって大半が撤回された

ベイリー総裁はBBCの取材に対し、ミニ・バジェットがイギリスの国際的な地位を「損なった」と語った。

10月に米ワシントンで行われた国際通貨基金(IMF)の年次総会でも「イギリスの地位や立場は損なわれていた。それは私の目にも、非常に明らかだった」と、総裁は述べた。

この年次総会に出席していたクワーテング氏は、14日に急遽(きゅうきょ)帰国すると、財務相を解任された

ハント財務相はイングランド銀の発表を受け、「イギリス政府ができる最も重要なことは安定を取り戻し、財政を整理し、国の債務を減らすことだ。そうすれば利上げ幅も最小限で済む」と語った、

一方、最大野党・労働党のレイチェル・リーヴス影の財務相は、「食品価格が上がり、光熱費があがり、住宅ローン金利も上がる中で」家計はこれほどの利上げに耐えられないと指摘した。

イングランド銀は昨年12月から8回にわたって金利を引き上げている。その結果、借り入れコストはイギリスの銀行システムが破綻に直面した2008年の金融危機以来の高水準となっている。

同行は、利上げによって借り入れコストが高くなれば人々が出費を抑えるようになり、その中で価格の上昇圧力が緩和されるとみている。これは貯蓄をする人には歓迎されているが、各種ローンを抱える人には大打撃となっている。

住宅ローンについては、このまま金利が上がり続けた場合、固定金利期間終了後の年間の支払い額が3000ポンド増えるケースも出てくると、イングランド銀はみている。

(英語記事 UK faces record two-year recession, Bank warns

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63509244

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