2022年11月28日(月)

BBC News

2022年11月4日

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米民主党幹部で大統領権限の継承順位2位にあるナンシー・ペロシ下院議長(82)を狙ったとされる男にサンフランシスコの自宅で襲撃され、重傷を負った、議長の夫ポール・ペロシ氏(82)が3日、事件から6日後に退院した。ペロシ議長によると、ポール氏は自宅で療養を続けるという。

カリフォルニア州選出のペロシ下院議長は声明で、「ペロシ家は世界中から寄せられた美しい愛と支援と祈りに感謝しています。ポールは医師団の手当てを受けながら、長い回復と療養を続けます。今では家族に囲まれ、自宅にいます。家族はプライバシーを尊重するようお願いしています」と述べた。

議長はさらに、「自宅で激しい襲撃に遭った」ポール氏が、緊急通報「911」を受けた警察の担当者や救急隊、搬送されたザッカーバーグ・サンフランシスコ総合病院の医療チーム全員から受けた、「思いやりあふれる手当てに命を救われた」と感謝していると書いた。

米司法省とサンフランシスコ地検によると、カナダ出身のデイヴィッド・デパピ容疑者(42)は10月28日未明、サンフランシスコ市内にあるペロシ夫妻の自宅に押し入り、夫ポール氏をハンマーで襲い、重傷を負わせた。ペロシ議長を探して「ナンシーはどこだ」と叫びながら、犯行に及んだとされる。

頭蓋骨にひびが入り、右腕や手に重傷を負ったポール氏は、搬送先の病院で手術を受け、入院していた。

米国土安全保障省は2日夜、デパピ容疑者がアメリカに不法滞在しており、いずれ強制退去させられるかもしれないと明らかにした。

司法省によると、容疑者は逮捕時にテープ1巻、白いロープ、2本目のハンマー、複数の結束バンドを所持していた。ペロシ下院議長を人質に取り、自分に「うそをついた」場合は「彼女の膝頭」をたたき割るつもりだったと、容疑者は供述しているという。

こうしてペロシ議長が負傷した場合、連邦議会に入る際には車いすを必要とすることになり、それは他の政治家へのメッセージになるはずだと、容疑者は警察に話したという。

警察は犯行動機を捜査中だが、「無作為の行動ではなかった」としている。

司法省は、容疑者を連邦法違反2件で訴追。連邦職員の公務への報復としてその家族を襲撃した罪については、有罪になった場合、最高30年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。容疑者はペロシ議長の誘拐未遂でも訴追されており、この最高刑は禁錮20年。

サンフランシスコ地検はこれに加え、殺人未遂や高齢者虐待など6件の罪で訴追。罪状はさらに増える可能性があるという。

ペロシ議長宅襲撃からまもなく米政府は、「イデオロギー的な怨恨(えんこん)」を動機にした人間が、選挙の候補や選挙職員に対して「過激主義による暴力」を働く「危険が高まっている」として、全国の捜査機関に注意喚起した。

容疑者は警察の調べに対し、「ワシントンから出てくるうそがもう我慢ならず」、「決死の覚悟」で議長宅に押し入ったなどと話しているという。容疑者は、11月1日の罪状認否では、無実を主張している。

BBCは、デパピ容疑者の名前で作成されたブログやウェブサイト、ソーシャルメディアのアカウントを確認。そこには、反ユダヤやホロコースト否定の内容が大量に掲載され、極右ウェブサイトや「Qアノン」といった陰謀論への言及も多く書き込まれていた。

容疑者はこのほか、2020年米大統領選に関してすでに広く否定されている不正選挙の主張や、極右や過激主義に一般的な主張を多数書き込んでいた。

議長宅襲撃後、事件の内容についてもさまざまな虚偽の主張が、インターネットで拡散されている。

(英語記事 Paul Pelosi discharged from hospital after hammer attack

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63509392

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