2022年11月28日(月)

BBC News

2022年11月4日

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イスラエルのヤイル・ラピド首相は3日、ベンヤミン・ネタニヤフ元首相に電話をかけ、1日にあった総選挙で元首相側が勝利したことについて祝意を伝えた。

ラピド氏はネタニヤフ氏に対し、幸運を祈ると述べるとともに、整然とした政権移行を保証したという。

3日に発表された総選挙の最終結果では、ネタニヤフ氏が率いる政党「リクード」と、同盟関係にある極右および宗教政党が、定数120議席のうちの計64議席を獲得した。

1年2カ月前に反対勢力によって追放されたネタニヤフ氏が、劇的な復活を果たすこととなった。

この結果により、2019年にネタニヤフ氏が収賄、詐欺、背任の罪で起訴されたことから始まった前例のない政治的な行き詰まりも、終わりを迎えることになる。同氏は罪状を否認している。裁判は現在も続いており、次回の審理は7日に予定されている。

イスラエルのメディアによると、最終結果を受けた各党の獲得議席は、リクードが32、ラピド氏率いる中道「イェシュ・アティド」が24、極右の超民族主義「宗教シオニズム」が14、ベニー・ガンツ国防相がリーダーの中道右派政党が12となった。

超正統派の宗教政党の「シャス」は11、「ユダヤ・トーラ連合」は7、世俗的民族主義の「イスラエル我が家」は6、アラブ系の「ラアム」と「ハダシュ=タール」は各5、「労働党」は4つの議席をそれぞれ獲得した。

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ネタニヤフ氏は、過半数の議席確保が出口調査で予測された後、リクード支持者に向かい、新たに樹立する政府は「すべてのイスラエル国民を大事にする。例外はない。この国は私たち全員のものだからだ」と述べた。

また、「私たちは安全を回復し、生活費を下げる。平和の輪をいっそう広げ、国際的な台頭勢力としてのイスラエルを取り戻す」とした。

ネタニヤフ氏は、連立政権のパートナー候補には言及しなかった。ただ、「宗教シオニズム」が含まれるとみられている。

「宗教シオニズム」指導者のイタマル・ベング=ヴィール氏とベザレル・スモトリッチ氏は、反アラブ的言動で知られる。ベン=グヴィール氏は「不忠実」とみなされた人々の国外追放を、スモトリッチ氏はアラブ系政党の非合法化を、それぞれ要求している。

極右指導者が大臣ポストに意欲

ベン=グヴィール氏は、人種差別主義者で極右のメイル・カハネ氏(故人)を信奉していた。カハネ氏の組織はイスラエルで禁止され、アメリカからテロ組織に指定されていた。ベン=グヴィール氏自身も、人種差別の扇動とテロ組織支援で有罪判決を受けている。

スモトリッチ氏は、国防相への就任に意欲を示している。ベン=グヴィール氏は公安相のポストを要求している。

ベン=グヴィール氏は3日、東エルサレムのイスラエル占領地でイスラエル警官が刺され、犯人のパレスチナ男性が現場で射殺されたとイスラエル警察が発表したことを受け、ツイッターに投稿。「秩序をもたらす時が来た。地主が存在すべき時が来た」とした。

新政権に「宗教シオニズム」が加わることで、多くの左派および中道派のイスラエル国民、そして人口の5分の1を占めるイスラエル国籍のアラブ人は、警戒を強めることになる。また、パレスチナ人との関係や、欧米やアラブの同盟国との関係でも、ひずみが生じる可能性がある。

アメリカは2日、「すべてのイスラエル政府関係者が、開かれた民主主義社会の価値観を共有し続ける」ことを望むと表明。そうした価値観には、「市民社会の全員、特に少数派の人々に対する寛容と尊重が含まれる」とした。

(英語記事 Lapid congratulates Netanyahu on Israel election win

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63509083

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