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BBC News

2022年11月7日

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国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が6日、エジプトのシャルム・エル=シェイクで始まった。アントニオ・グテーレス国連事務総長は、地球が「遭難信号を送っている」と警告した。

国連はこの日、気候変動に関する報告書を発表。それによると、2015~2022年は観測史上で最も地球の気温が高い8年間だったという。

COP27には世界各国から120人以上の指導者が集まり、18日まで気候変動対策について協議する。アメリカのジョー・バイデン大統領やイギリスのリシ・スーナク首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領なども参加する。

エジプトの外相でCOP27の議長を務めるサーメハ・シュクリ氏は、参加国に対し、ロシアのウクライナ侵攻を受けた食料・エネルギー危機によって気候変動対策が妨げられないよう求めた。

「直面している課題の大きさを認識し、それを克服するために強い決意を示すことが、シャルム・エル=シェイクにいる全員の課題だ」

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世界気象機関(WMO)が発表した報告書でも、対策の必要性が浮き彫りになった。グテーレス氏はビデオ演説の中で、WMOの報告書は「気候の混乱の記録」だと説明した。

報告書によると、地球の気温は産業革命前と比べてすでに1.15度上がっており、2022年までの8年間は観測開始以降で最も気温が高い期間になると見込まれている。

また、海面上昇や氷河の大規模な減少、記録的な熱波となどさまざまな気候変動の影響についても警告している。海面上昇については、上昇率が1993年から2倍になったという。

グテーレス氏はこうした報告を受け、COP27は緊急かつ信頼できる気候変動対策の場所になるべきだと述べた。

COP27では7~8日に首脳会議が行われ、各国首脳が5分ずつ、この会議に求める内容を発表する。

急きょ参加が決まったスーナク英首相にとって、COP27は就任後初の外交の場となる。スーナク氏は首脳会議で、「より広範囲かつ迅速な」再生可能エネルギーへの移行を各国に求める方針。また、英グラスゴーで開かれた前回のCOPでの公約から「逆戻り」しないよう念を押す見込みだ。

COP26では、以下のことが決まった。

  • 最も汚染度の高い化石燃料である石炭使用の「段階的削減」
  • 2030年までに森林伐採を停止
  • 2030年までにメタン排出を30%削減
  • 国連に新たな気候変動計画を提出

イギリスはまた、新たな気候変動対策として、途上国やイギリスの森林、各国の熱帯雨林などでの雇用拡大とクリーンエネルギーに対する資金援助を発表する予定。

クリーンエネルギー分野では、途上国でクリーン技術に従事する科学者らにイノベーション施設を提供するため、6550万ポンドを提供する。これにはインドのバイオマス冷却装置やナイジェリアのリチウムイオン電池などの計画が含まれる。

さらに、コンゴの熱帯雨林保護に900万ポンド、先住民コミュニティーなどの支援に650万ポンドを投じるという。

気候変動の被害を特に受ける途上国は、以前のCOPで約束されていた先進国からの資金援助の継続を要請している。

また、将来の影響だけでなく、これまで気候変動の影響で受けた被害への対応についても支援を受けるべきだと言う、いわゆる「損失と損害」についても議論すべきだとしている。

激しい交渉の結果、COP27では「損失と損害」も議題の1つとなっている。

こうした公式の協議に加え、COP27では2週間の間に若者やビジネスグループ、先住民コミュニティー、学界、アーティスト、デザイナーなどによる数百件の展示やワークショップ、パフォーマンスが予定されている。

一方で、これまでのCOPサミットで恒例となっていた抗議活動は抑えられる見込みだ。

議長国エジプトのアブドゥル・ファタ・シシ大統領は2014年の就任以来、反体制派を弾圧している。人権擁護団体によると、同国には約6万人の政治犯がおり、その大半が裁判を受けることなく拘束されているという。

シュクリ外相は、シャルム・エル=シェイクに抗議行動を行うためのスペースを確保すると述べている。しかし、エジプトの活動家はBBCに、多くの地元団体が会議に登録できないでいると語った。

(英語記事 'Climate chaos' warning as COP27 summit begins / Sunak urges global push for clean growth

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63538355

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