2022年12月2日(金)

BBC News

2022年11月8日

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アメリカのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7日、ウクライナとロシアの戦争が続く中、アメリカ政府とロシア政府の対話チャンネルは開かれたままだと認めた。

サリヴァン大統領補佐官は訪問先のニューヨークで、ロシア政府との連絡を維持することはアメリカの「利益のため」だと述べた。

ただし、「自分たちがどういう相手とかかわっているのか、(アメリカ側の担当者は)はっきり認識している」とサリヴァン氏は強調した。サリヴァン氏の発言は、ニューヨークのエコノミック・クラブ主催のイベントでのもの。

サリヴァン氏をめぐっては、ウクライナにおける核のエスカレーションを阻止するため、ロシアとの協議を秘密裏に主導していると報じられている。ホワイトハウスはこの報道を否定していない。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは6日、サリヴァン氏がこの数カ月間、ロシアのニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記とロシア政府の外交政策補佐官ユーリ・ウシャコフ氏と極秘協議を行っていたと報じた。

政府高官が同紙に語ったところによると、3人はウクライナでの戦争における核のエスカレーションを回避する方法について協議したが、戦闘そのものを終わらせる方法に関する交渉には至っていないという。

サリヴァン氏は先月、核兵器の使用は「ロシアにとって破局的な結果」をもたらすことになると指摘。政府高官がロシア当局者との非公式協議で、もしロシアが核兵器を使った場合、アメリカはどれだけの対応をする可能性があるか、その規模を「詳しく説明」したと米NBCに語っていた。

米国家安全保障会議(NSC)のエイドリアン・ワトソン報道官は同紙に対し、「人はいろいろなことを主張するものだ」と答え、報道内容を認めなかった。一方でロシア政府のドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、西側の新聞が「複数のでっちあげを掲載している」と非難した。

ホワイトハウスのカリーン・ジャン=ピエール報道官は7日、アメリカはロシアと協議する権利を留保していると述べた。

バイデン政権でロシアとの協議継続を今も求める幹部の中でも、サリヴァン補佐官は最高位にある1人だとされる。そのサリヴァン氏は、アメリカがロシアと接触し続けることは、「この紛争の影響を受けるすべての国の利益」につながるとしている。

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ウクライナにロシアとの交渉促したとの報道も

米紙ワシントン・ポストは先週、複数の米政府高官がウクライナ政府に対し、ロシアとの交渉に前向きな姿勢を示すよう促していると伝えた。それによると、米政府高官らはウクライナに対し、「ウラジーミル・プーチン大統領が権力を握る間は終戦交渉はしない」というこれまでの公の姿勢を、やめるよう求めている。

しかし、サリヴァン氏は7日、バイデン政権には「説明責任を追求する義務」があるとし、「ウクライナにおける深刻でグロテスクな戦争犯罪の加害者たちに、自分たちの行為の責任を取らせる」ため、国際パートナーと連携していくと約束した。

「私は金曜日(4日)にキーウを訪問したばかりだ。(ウォロディミル・)ゼレンスキー大統領や、私と同じ役職のアンドリー・イェルマク首席補佐官、軍の指導者たちと面会する機会があったし、プーチンの戦争によってどの程度の死と破壊が生じているのか説明も受けた」と、サリヴァン補佐官は述べた。

ここ数カ月、ロシアは不法に併合したウクライナ東部と南部の4州を守ろうと必死になっており、核兵器の使用に踏み切るのではないかとの懸念が高まっている。

こうした中、ウクライナ政府は7日に戦時戒厳令を発令し、戦略的に重要な国内企業5社の資産を接収したと発表した。

対象にはエネルギー企業2社や、エンジンや自動車、変圧器などを製造する企業も含まれる。これらの企業は、ロシアに協力した疑いで逮捕されたウクライナの大富豪ヴャチェスラフ・ボフスライェフ氏と関係がある。

ゼレンスキー大統領はこの動きについて、南部と東部で反撃中のウクライナ軍のニーズに、ウクライナの防衛産業が応えるための、その一助になるだろうとしている。

(英語記事 US confirms 'communications' with Kremlin

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63551397

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