2022年12月8日(木)

BBC News

2022年11月9日

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イギリスのスーナク英内閣のサー・ギャヴィン・ウィリアムソン無任所閣外相が8日、辞任した。ウィリアムソン氏については、同じ保守党議員や官僚へのいじめ行為が相次ぎ指摘されているが、本人は「問題行為は何もない」と批判を否定している。

ウィリアムソン氏は、自分の行為には問題はなかったとしているが、自分への相次ぐ批判が政府の「優れた仕事」の「邪魔」になっているとして辞表を提出。政府を離れるのは「本当に悲しい」とした上で、一般議員としてリシ・スーナク首相を「全面的に支える」と述べた。

さらにウィリアムソン氏は、閣僚としての退職金を受け取るつもりはないとツイートした。

これに対してスーナク首相は「とても悲しい」ものの辞表は受理するとして、ウィリアムソン氏の「個人的な支持と忠誠」に感謝。「長年にわたり歴代の保守党政府と保守党に、一貫して尽くしてくれた」と書いた。

ウィリアムソン氏については、英紙サンデー・タイムズが5日、保守党のウェンディー・モートン院内幹事長(当時)にあてた罵詈雑言(ばりぞうごん)だらけのメッセージを報道。7日には英紙ガーディアンが、同氏が国防相だった当時に同省幹部に対して横暴にふるまい、会議などの場で「自分で自分の喉を切り裂いてしまえ」、「窓から飛び降りろ」などの威圧的な発言を繰り返していたと伝えた。

さらに8日には、2015年から2017年にかけて保守党の院内副幹事長だったアン・ミルトン氏が英チャンネル4ニュースに対して、ウィリアムソン氏が「人を脅し」たり「威圧」したりする行動を重ねていたと話した。

こうした指摘を受けて首相官邸は、ウィリアムソン氏による国防省幹部への言動の事実関係を確認しようとしていると述べていた。

ウィリアムソン氏の行動は、議員の行動に関する苦情を受け付ける監督機関に報告されている。

辞表でウィリアムソン氏は、「同僚にあてたメッセージに関する苦情処理手続き」に応じるとして、「メッセージの受信者には謝罪した」と説明した。

報道によると、ウィリアムソン氏は9月半ば、院内幹事長だったモートン氏に対して、リズ・トラス首相(当時)に好かれていない下院議員は、エリザベス女王の国葬から排除されたようだと不満を伝えた。

ウィリアムソン氏はモートン氏に、「自分を雑に扱うな」、「どんなことにも代償はつきものだ」などと書いていたという。

スーナク首相は7日、ウィリアムソン氏の言葉遣いは「容認できない」としながら、いじめに相当するかと質問されると、第三者機関に判断をゆだねるのが「正しい」と述べた。

ウィリアムソン氏が内閣を離れるのはこれで3回目。2019年5月には国家安全保障会議(NSC)の協議内容が漏れた問題で、情報漏洩に関与したとして国防相の職を解任された。このNSCでは、中国の情報通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)製品の使用に関する話し合いがされていたという。

同年7月にはボリス・ジョンソン政権発足に伴い教育相となったが、2020年から2021年にかけて大学入学資格統一試験の結果判定方法をめぐり紛糾(ふんきゅう)し、2021年9月の内閣改造で退任させられた。

今年夏の保守党党首選では、スーナク氏を支持し続けた。

保守党のジェイク・ベリー元委員長は、スーナク内閣発足の前日の時点で、モートン氏の苦情についてスーナク氏に伝えていたと話している。

首相官邸はこれについて、「いさかいがあったこと」はスーナク首相も承知していたものの、やりとりの「内容」については、サンデー・タイムズ報道まで知らなかったと説明している。

最大野党・労働党のアンジェラ・レイナー副党首は、「これはまたしても、リシ・スーナク氏がいかに判断力の乏しく、指導力が弱いかを示すものだ。首相官邸が作り出した生活費危機で国中の家族が苦しんでいるなか、またしても保守党政権はカオス状態に陥った」と批判した。

(英語記事 Sir Gavin Williamson resigns after bullying claims

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63564028

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