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BBC News

2022年11月10日

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英イングランド中部ヨークで9日、訪問中の国王チャールズ3世に卵が投げられる事件が発生した。

チャールズ国王はこの日、カミラ王妃と共に、伝統的に王族がヨークに入る際に通るミックルゲイト・バーで集まった市民とあいさつしていた。

抗議者はヨーク大学の23歳の学生で、公共秩序を乱した疑いでその場で拘束された。「この国は奴隷の血の上に成り立っている」と叫んでいたという。

一方、集まっていた人々は「God save the King (神よ国王を救いたまえ)」、「恥を知れ」と合唱し、抗議者を批判した。

ヨーク大学は、学生の犯行をとらえた映像に「ショックを受けた」と述べ、同学の不正行為に関する手続きに従ってこの件を検討するとした。


チャールズ国王とカミラ王妃はヨーク滞在2日目で、この日にドンカスターへと移動する予定だった。

ミックルゲイト・バーでヨーク市長などから歓迎を受けていたところ、抗議者が2人に野次を飛ばし、いくつかの卵を投げた。

チャールズ国王は卵が投げられている間もヨーク市長とのあいさつを続けていたが、しばし立ち止まり、地面に落ちた卵の殻を見下ろした。

国王夫妻に卵は当たらず、2人は案内されてその場を立ち去った。

現場では、国王訪問に際して設置された簡易柵の後ろで、数人の警官が卵を投げた男を取り押さえた。


現場にいたキム・オールドフィールドさんは、経営する画廊の玄関口から国王夫妻の到着を「楽しんでいた」ところ、「野次と卵が飛ぶ」のを目撃したと語った。

「そちらの方に目を向けると、警官が柵に集まり、男を柵の上から手前に引っ張ろうとしていた」

「男は卵を5つは投げたようだ」

「カミラ王妃は野次が飛んだ時にすこし身をすくめたようだったが、警察は迅速に動いた。素敵な時間を台無しにしたのが残念だ」


ヨーク市長が君主を正式に町に迎え入れるこの伝統行事は、2012年に故エリザベス女王のために行われて以来のものだった。

国王夫妻は、ヨーク・ミンスターに設置されたエリザベス女王の銅像を披露するために同市を訪れていた。女王の銅像が建てられるのは、死後初めてだという。


チャールズ国王はその後、サウスヨークシャー州ドンカスターへ移動し、同市に正式に「シティ」の称号を与えた。「シティ」は君主が自治体に与える特別な称号で、ドンカスターはエリザベス女王の即位70周年を機に授与されていた。

レセプションでは、国王夫妻は卵とクレソンのサンドイッチなどを食べたという。

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<解説> ショーン・コクランBBC王室担当編集委員

抗議者が投げた卵はすれすれのところで、国王に当たらなかった。こうした行事で、国王がいかに被害を受けやすい状態にあるか、あらためてあらわになった。

チャールズ国王はこれまで、歓迎する市民に気安く接してきた。往来を歩く際には、集まった人たちと握手したり、冗談を交わしたり、文字通り国民と触れ合う君主だ。

母女王の死去から間もない時期にも、市民の温かい反応を国王は喜んでいる様子だった。昨日は北部リーズの道端にずらりと並んだ群衆にあいさつし、一部始終を記録する携帯電話の海を前にしていた。

しかし、あまりにざっくばらんで不測の事態が起こりかねない、こうした集まりを、イギリス政界の幹部はもはや、今までのようには歓迎しないだろう。ましてやアメリカ大統領を取り囲む厳しい警備からすれば、ありえないことだ。いったい誰が何を持っているか、わかりようもない。

とはいえ、警備の強化と、自分の姿を大勢に見てもらうことは、両立しない。国王と群衆の距離がほとんどなくなる、肩ひじ張らないこうしたイベントは、コントロールするのが難しい。

今回の場合は、「私の王じゃない」横断幕を手にした人たちが現場にいた。そして、国王夫妻からわずか数メートルのところから、卵が次々と投げられた。

国王は特に動じていない様子で、警察も素早く反応した。しかしその時すでに卵は、抗議者の手を離れて地面に届いていた。


(英語記事 Student arrested after eggs thrown at King Charles

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63579571

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