2022年12月2日(金)

BBC News

2022年11月10日

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米中間選挙は投開票翌日の9日、ジョージア州の上院選で来月上旬に決選投票が実施されることが発表された。上院を与野党どちらが握るかは、同州など残る3州の結果にかかっているが、いずれも確定までは時間がかかる見通し。下院は野党・共和党が主導権を取り戻す情勢となっている。ジョー・バイデン大統領は同日演説し、民主党が大健闘したとした。

これまでの集計の結果、上下両院とも、与野党のどちらが多数派となるのかはまだ判明していない。上院の新たな勢力図が固まるにはまだ数日、場合によっては数週間かかる。

今回の選挙では、インフレによる生活費の高騰、経済、人工妊娠中絶の権利などが主な争点となった。下院は全435議席が改選され、上院は定数100のうち35議席が改選となる。多くの州で知事選なども実施された。


ジョージア州の上院選決選投票は来月6日に行われる。今回自身も再選されたブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官が発表した。

同州では、共和党のハーシェル・ウォーカー候補が得票率48%超、民主党のラファエル・ワーノック候補が49%で、接戦となっている。

ラッフェンスパーガー氏によると、同州で未集計の票は1万票を切っており、両候補とも50%以上の得票は見込めないという。そのため、州法の規定により、決選選挙が実施されることになる。

ラッフェンスパーガー氏は、「有権者にはもう一度だけ投票に来てもらいたい」と述べ、すでに決選投票の準備を始めていると付け加えた。


上院の行方を決める3州

上院選は、ジョージア、アリゾナ、ネヴァダ、アラスカの4州で当選確実の候補が出ていない。

ただ、アラスカ州は共和党候補2人の争いとなっており、同党が議席を取ることが決定的となっている。

そのため、残る3州のうち2州以上で勝った党が、上院の主導権を握る維持することになる。

ジョージア州は前述のとおり、来月上旬の決選投票実施が決まっている。

ネヴァダ州は、民主党現職のキャサリン・コルテス・マスト上院議員と、共和党のアダム・ラクソルト候補の間で接戦となっている。BBCがアメリカで提携する米CBSニュースは、互角の争いだとしている。同州では12日までに到着する郵便投票も集計の対象になる。

アリゾナ州では、民主党現職のマーク・ケリー上院議員が、共和党のブレイク・マスターズ候補をリードしている。同州でもまだ集計作業が続いている。

ペンシルヴェニアで民主党が重要な勝利

共和党現職の引退を受けて行われたペンシルヴェニア州の上院選では、民主党のジョン・フェターマン候補が、共和党のメフメト・オズ候補を破り、共和党から議席を奪った。民主党にとっては大きな勝利となった。

身長約2メートルで入れ墨をしたフェターマン氏は、ハーヴァード大学を出て小さな町の首長を務めてきた。今年5月に脳梗塞を患ったため、その健康状態が論点のひとつになっていた。

対するオズ氏はテレビ司会者も務める医師で、ドナルド・トランプ前大統領の支持を受けていた。10月の候補討論会では、人工中絶について「連邦政府は介入すべきではない」とした上で、「女性と医師と地元の政治指導者が、最善の考えをもとに州が独自に決められるよう、民主主義に託すべきだ」と回答。これが大いに注目され、中絶権支持者から非難されていた。

同州で引退することになったパット・トゥーミー上院議員(共和党)は、昨年1月の連邦議会襲撃に関してドナルド・トランプ前大統領の弾劾に賛成した共和党議員7人の1人。

大票田ペンシルヴェニア州では、大統領選の管理に大きな影響力を持つ知事のポストも、民主党が維持。大統領の選挙人の認定などで決定権を持つ州議会も、民主党が12年ぶりに奪還する勢いとなっている。


「赤い波は来なかった」とバイデン氏

バイデン大統領は9日、中間選挙のこれまでの結果を受けて演説をした。

バイデン氏は「近年、民主主義が試されてきたが、米国民は投票によって意見を表明した」とし、「民主主義にとって良い日だ」と今回の選挙をたたえた。

また、民主党は大健闘し、事前に予想されていた「赤い波」(共和党による上下両院圧勝)は起こらなかったと指摘。「アメリカ国民は声を上げ、民主主義こそ私たちの真価だと改めて証明した」と述べた。

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アメリカでは、大統領選挙後の中間選挙では現職大統領の政党が大きく敗れることが多い。これを念頭にバイデン氏は、現職大統領の政党として平均的に予想されているより、民主党の下院での議席減は少なかったと主張した。

新型コロナウイルスのパンデミックからの復興、インフラの再建、インフレ対策などのこれまでの取り組みを強調し、「私たちはまだ始まったばかりだ」と大統領は力説した。

共和党との協力については、バイデン氏は「良い考えは受け付ける」と述べた。

しかし、富裕層への減税など、労働者層に不利になると考えられる法案は支持しないと明言。「年収4万ドル以下の人は、連邦税が上がることはない」とした。

また、高齢者の医療保険制度メディケアや社会保障を削減するような政策変更も支持しないと述べた。

共和党が下院を握った場合の議長を狙っているとされるケヴィン・マカーシー議員については、バイデン氏はあまり付き合いがないと説明。しかし、9日午後に話をする予定だとした。

トランプ氏は「大勝利」

トランプ前大統領は9日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で発信。「昨日の選挙は、ある意味ではやや期待外れだったが、個人的には非常に大きな勝利だった。全体で219勝16敗。これ以上の結果を誰が出しただろう」とした。

BBCはこの数字を検証できていない。トランプ氏は今回の選挙で、候補者174人を正式に支持した。当選した候補もいるが、落選した人もいる。


中絶の問題が影響か

中間選挙では大統領の政党が不利になるのが通例だ。バイデン氏は処方せん薬の価格を下げ、クリーンエネルギーを拡大し、インフラを刷新したが、過去40年間で最悪のインフレの中で、支持率は大打撃を受けている。

しかし、共和党も人工妊娠中絶をめぐって、政治的な弱みを抱えていた。保守派が支配する連邦最高裁は今年、中絶について米憲法が定めていた権利を後退させた。

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ヴァーモント、カリフォルニア、ミシガンの各州では8日、中絶をめぐる投票の結果、州憲法に中絶の権利を明記することが決まった。ケンタッキー州では、中絶の権利はないとする州憲法修正案が否決された。ただ、中絶をほぼ全面的に禁止している同州の現行法が自動的に覆されるわけではない。

(英語記事 Live ReportingControl of Congress hangs in balance after midterms

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63579150

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