2022年11月28日(月)

BBC News

2022年11月11日

»著者プロフィール

ロシアのウクライナ侵攻で、両軍がこれまでにそれぞれ約10万人の死傷者を出しているとの見方を、アメリカ軍トップが明らかにした。

アメリカ軍のマーク・ミリー統合参謀本部議長は、侵攻開始以降、民間人の死者が約4万人に上っている可能性があると述べた。

これらの数字は、西側諸国の推測値として最多のものとなる。

ミリー議長はまた、ウクライナがロシアとの協議再開を望んでいることが、交渉の「余地」を生み出していると述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこれまで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の退任が交渉の条件だとしていたが、これを撤回。ロシアとの何らかの協議に応じる構えを見せている。

一方でミリー議長は、ロシアとウクライナが戦争での勝利は「軍事力では達成できず、別の方法を探す必要があるかもしれない」という「相互認識」に至らなければ、交渉は成功しないと指摘した。

<関連記事>


ジョー・バイデン米大統領の最高軍事顧問であるミリー氏は、冬に入って戦闘が緩やかになる中、犠牲者の規模によって両国に交渉の必要性を訴えられるかもしれないと述べた。

「ロシア側では優に10万人以上の兵士が殺されたり負傷したりしている。おそらくウクライナ側でも同じことが言える」

両国は共に、犠牲者数を慎重に隠している。

ロシア政府が9月に発表した戦争開始後の死者は5937人。セルゲイ・ショイグ国防相は、それよりずっと多いとする報道を否定している。

ミリー議長の推定はさらに死者数が多い。なお、1979~89年のアフガニスタン戦争でのソ連軍の死者は1万5000人とされている。

ウクライナも犠牲者の人数をほとんど発表していない。だが8月には、ヴァレリイ・ザルズニイ司令官が地元メディアに対し、9000人の兵士が亡くなったと話していた。

国連は、当事国が発表した数字は信用していないとしている。

避難した人も多数

ミリー議長はさらに、「甚大な被害、人的被害が出ている」として、侵攻開始以来、1500万~3000万人の避難民が出たとの見方を示した。

国連によると、780万人がウクライナから、ロシアを含む欧州各地に難民として出ていったという。しかしこの数字には、家を追われたもののウクライナにとどまっている人数は含まれていない。

ロシア政府は9日、南部ヘルソン州の州都ヘルソンから軍を撤退させると発表した。ヘルソンは、ロシアが唯一占領していた州都だった。

ミリー議長はこれについて、「初期の」撤退開始を示しているとしたものの、ロシアは2万~3万の兵士を市内に駐屯させており、撤退には数週間がかかるとみていると話した。

「ロシアは公に撤退すると発表した。ドニプロ川以南の防衛線を再確立する戦力を温存するためだと思うが、今後の動向次第だ」と述べた。

プーチン大統領は9月、予備役30万人の部分動員を発表。西側とウクライナの軍事専門家は、動員の必要性は、ロシア軍がウクライナの戦場でひどく失敗していることを示すものだと指摘している。

(英語記事 US estimates 200,000 casualties in Ukraine war

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63593551

新着記事

»もっと見る