2022年12月8日(木)

BBC News

2022年11月16日

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スティーヴン・マクドネル、BBCニュース、中国・北京

中国南部の工業都市広州で14日夜、新型コロナウイルス対策の厳しい規制に市民らが怒りを爆発させ、一部は集団でロックダウンを無視して警察と衝突する騒ぎがあった。

映像では、人々が警察車両をひっくり返したり、感染拡大防止のために設置されたフェンスを破壊したりしている。この地域には現在、機動隊が出動している。

広州の新型ウイルスのパンデミックは、これまでで最悪の状況になっている。

中国では経済指標が悪化するなか、「ゼロコロナ」政策への不満が高まっている。

広州の海珠区では自宅待機が指示され、緊張が高まっていた。

同区には、多くの貧しい行商人らが住んでいる。住民らは、仕事に出られないと収入が得られないことや、規制下の生活で食料が不足して物価が高騰していることへの不満を訴えてきた。

住民らは数日前から夜になると、白い防護服を着けた感染防止対策の当局者らと、もめるようになっていた。14日夜になって突然、怒りが爆発して広州の通りへと広がり、大規模な抗議行動となった。

またも、根拠のないうわさが一役買っている。検査会社が金目当てにPCR検査の結果を偽り、感染者数を人為的に増やしているとの話が広まっている。

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うわさの影響力

中国北部でも、新型ウイルス関連のうわさが影響力をもっている。

河北省の当局はこのほど、石家荘市での集団検査を停止すると発表した。すると、新型ウイルスの感染拡大を放っておくとどうなるかを観察するため、住民がモルモットとして利用されるとの憶測が出回り始めた。

これに関して、ソーシャルメディアで議論も発生。「#ShijiazhuangCovidprevention」のハッシュタグがつけられた。

パニックに陥った住民の多くは、新型ウイルスに効くとされる漢方薬の備蓄に走った。市内では実質的に品切れ状態だと言われている。

中部・鄭州市では2週間前、似たようなうわさが急速に広まり、鴻海科技集団(フォックスコン)の工場群で労働者が集団脱走する騒ぎへとつながった。これにより、米アップルのiPhoneの供給が世界で滞った。

中国各地の自治体は、経済を破綻させずにゼロコロナ政策を維持するのに苦労している。最新の工場生産高と小売売上高の公式統計には、パンデミックの圧倒的な影響と、政府の感染対策の影響が色濃く出ている。

ここ数日、感染者がゼロと報告された省はひとつもない。

中国西部の巨大都市、重慶では、中心部で暮らす約2000万人が一種のロックダウン状態に置かれている。人々はこの状況を、皮肉を込めて「自主的静態管理」と呼んでいる。公式発表はなかったが、当局は屋内にとどまるよう指示したためだ。

重慶市当局は、全国的なゼロコロナ規制の緩和が公表されたのと同じ日に、大規模ロックダウンを発表するのがいやだったのだ――。ネット上ではそんな冗談が広まった。

少しの変更で混乱

中国では、感染流行を減らすことが、なお人々の生活を支配している。そのため、対策が少しでも変更されると、混乱やパニックが生じる可能性がある。

北京市朝陽区の当局は今週に入り、路上の検査ブースの多くを閉鎖し、集合住宅の敷地内に移すことを決めた。PCR検査ステーションの数も突然減らした。だが、多くのオフィスビルは日々の検査結果の提示を求めており、それができない人は入場させないため、問題が生じている。

結果として、開いているブースではものすごい行列となった。

ゼロコロナ政策は、中国でスムーズに進んではいない。チベット自治区の中心都市ラサでは、移動を禁じられた労働者らが市外に出せと抗議している。新疆地区では、全域でロックダウンが実施された。

先週、規則のわずかな緩和が発表された。この先さらに和らげられる可能性があることを示唆するものだとみられていた。しかし、政府がこれを検討しているとしても、近いうちではないかもしれない。

(英語記事 Violent protests put China's zero Covid under strain

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63645137

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