2022年12月2日(金)

BBC News

2022年11月18日

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ウクライナで17日、再びロシアによるミサイル攻撃が相次いだ。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国民1000万人が電気を使えない状態にあると述べた。

当局によると、ロシアは東部のガス生産工場やドニプロのミサイル工場などを攻撃した。過去最大級の爆撃を実施してから2日もたたずして、各地にミサイルを撃ち込んだ。

ウクライナ大統領府によると、南部の都市ザポリッジャに近いヴィルニャンスクでは、集合住宅にミサイルが直撃し、7人が死亡した。

死者はさらに増えるとみられている。

停電に見舞われているのは、主に首都キーウ、西部ヴィンニツィア、南西部の港湾都市オデーサ、北東部のスーミなど。

ゼレンスキー氏は、恒例となっている夜の演説で、国民の電力と暖房の供給網をロシアが破壊していると非難。「私たちは供給正常化のため全力を尽くしている」と述べた。

また、防空システムによって巡航ミサイル6発とドローン5機を撃ち落としたとした。

ゼレンスキー氏はさらに、ウクライナの協力国に対し、「ウクライナの空の完全な防衛」を改めて要請。それを実現することが、ロシアに戦争をやめるよう促すことになると述べた。

一方のロシアは、ウクライナが交渉に「後ろ向き」だと非難することで、最近の攻撃を正当化しようとしている。

ゼレンスキー氏の側近のキリロ・ティモシェンコ氏は、がれきと化したヴィルニャンスクのアパートの写真をメッセージアプリ・テレグラムに投稿した。

ザポリッジャのすぐ北に位置するドニプロでは、ミサイル工場が攻撃され、当局によると、10代の若者を含む23人がけがを負った。

BBCは直近の攻撃による民間人の犠牲について、独自の確認はできなかった。

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ザポリッジャの南西のニコポル市の周辺には、砲弾70発が着弾し、数千戸が停電と断水に見舞われた。

一方、国営エネルギー企業ナフトガスは、東部のガス生産施設が「大規模な攻撃」を受けたと明らかにした。

南部オデーサ州と北部ハルキウ州でも、インフラへの攻撃や民間人の負傷が当局によって確認されている。

首都キーウでは空襲警報が鳴り響いた。携帯電話には午前8時ごろ、ウクライナ全土で新たなミサイル攻撃があるとする警告が表示された。

ロシアの15日の大規模なミサイル攻撃では、多くをウクライナが迎撃したものの、インフラ施設を直撃したものもあり、同国の電力供給は一段と厳しくなった。

このところ戦場で後退しているロシアは、ウクライナのインフラを攻撃する戦術をとっている。国民はその影響をより深刻に感じるようになっている。

キーウは17日朝、一面が雪に覆われた。多くの市民は緊急停電のたえ、暖房が使えないでいる。

米軍の制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は、ウクライナが短期間でロシア占領地をすべて奪還して戦争に勝つ可能性は「軍事的には高くない」と警告している。

同時にミリー氏は、「政治的解決」によってロシアが撤退する可能性はあると発言。ロシアは苦しい立場にあると述べた。

ウクライナでは、南部ヘルソン市の奪還を受け、このところ楽観的な見方が広がっている。

そうしたなか、ロシアの占領下で市民が拷問を受けたとの報道が出ている。ロシアは一貫して、紛争中の残虐行為を否定している。

穀物輸出の合意を延長

ウクライナ政府は、黒海での船舶による穀物輸出を可能にする合意がさらに120日間延長されたと発表した。

国連とトルコが仲介したこの合意により、ここ数カ月で数百万トンの農産物がウクライナから出荷され、世界の食料安全保障をめぐる懸念が緩和されている。

7月の発効前、ロシアは黒海のウクライナの港を封鎖していた。ロシアは17日、この合意が「変更なしに」継続されることを確認した。

ゼレンスキー氏は、8月以降で1100万トンの食料が港から出荷され、アフリカ、中東、南アジア、東南アジア、ヨーロッパに届けられたと説明。「アフリカ諸国を中心に、何千万人もが飢餓から救われた」と述べた。

(英語記事 Russia strikes cut power to 10 million Ukrainians

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63672833

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