2022年12月9日(金)

BBC News

2022年11月25日

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ロシア下院は23日、同性愛に関する宣伝禁止法を強化する法案を、賛成397、反対および棄権0の全会一致で可決した。近く上院で承認され、ウラジーミル・プーチン大統領の署名を経て成立する見通し。

法案は、同性愛に関する宣伝を禁止する、いわゆる「ゲイ・プロパガンダ」禁止法の規制を拡大する内容。書籍や映画、オンラインなどで同性愛を流布することが違法とされ、違反者には重い罰則が科せられる。

同法は、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官が「表現の自由への打撃」と批判したことから「ブリンケンへの回答」法とも呼ばれている。

活動家たちは、ロシアのLGBT(性的マイノリティー)コミュニティーをさらに抑圧しようとする試みだと指摘している。

法案が成立するには上院の承認とプーチン大統領の署名が必要となるが、これらは事務的な手続きとみられている。

「同性間の関係」の流布を禁止

物議を醸している「ゲイ・プロパガンダ」法の原案は2013年に承認された。子どもたちの間で「非伝統的な性的関係に関する流布」、つまり同性間の関係を描写したものを広めることを禁止している。

同法はマスメディアや広告で同性間の関係を肯定的に描写することを、ポルノの配布や暴力の促進、人種・民族・宗教的緊張の扇動と同類としている。

LGBTを肯定的に表現した広告や書籍、映画が禁止されることから、出版社からはロシアの古典文学に影響を及ぼしかねないという懸念が上がっている。

LGBTに関するオンライン上の議論もブロックされる可能性がある。LGBTのスローガンやシンボルが描かれた商品の販売も禁止される。

違反者には最大40万ルーブル(約92万円)の罰金が科される。企業の場合は最大500万ルーブル(約1150万円)の罰金を支払うよう命じられる可能性がある。

外国人や無国籍者は同法に従わない場合、収監あるいはロシアから追放される恐れがある。

LGBTへの攻撃の波を懸念

人権活動家やLGBT団体は、規制の拡大はLGBTコミュニティーのあらゆる行為や公の発言が犯罪行為とされることを意味すると指摘している。

ロシアに拠点を置くLGBT支援団体「Vykhod」のクセニア・ミハイロワ氏は、9年前に最初の禁止法が導入されたことでゲイ・コミュニティーへの攻撃の波が引き起こされたと述べた。

ミハイロワ氏はロイター通信に対し、改正案が事実上「国家はLGBTへの暴力に反対しないとしている」ことから、LGBTへの攻撃の「津波」が起こるだろうと語った。

ブリンケン米国務長官は23日、「法案を取り下げて、すべての人の人権と尊厳を尊重する」ようロシアに求めた。

https://twitter.com/SecBlinken/status/1595582634930880512


議会で「ブリンケンへの回答法」だと述べたヴャチェスラフ・ヴォロージン下院議長は、西側諸国が広めた「闇」であるLGBTの価値観からロシアを守るためのものだと主張した。

プーチン大統領は反同性愛の論調を政治課題の要としている。

最近の演説では、欧州でゲイやトランスジェンダーの権利が推進されていることを例に挙げ、西側が「公然たる悪魔主義に向かっている」と非難している。

(英語記事 Russia passes 'Answer to Blinken' gay propaganda law

提供元:https://www.bbc.com/japanese/63751986

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