2023年1月30日(月)

BBC News

2022年12月31日

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ウクライナ政府は30日、イラン製ドローンが夜にかけて首都キーウなど各地を攻撃したと発表した。他方、ベラルーシ政府は29日、ウクライナの防空ミサイルをベラルーシ領内で撃墜したとして、ウクライナ大使を呼んで抗議した。

ウクライナ当局によると、ロシアがイラン製ドローン16機でウクライナ各地を攻撃。そのうち7機はキーウを標的にしたものだった。すべてのドローンは撃墜したという。

キーウでは30日午前2時に空襲警報が鳴り、住民は避難を勧告された。ヴィタリ・クリチコ市長によると、ドローン5機は空中で撃墜され、2機は「接近中」に撃墜された。負傷者はなかったが、建物2棟で窓が割れたという。

大統領府によると、ドローンによって4階建ての政府庁舎で出火した。

ウクライナ軍は、過去24時間の間に180回の攻撃を受けたと明らかにした。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領によると、そのほとんどがエネルギー・インフラを狙った攻撃だという。

ウクライナ空軍によると、ロシアは「空と海から発射した巡航ミサイルを複数の方向」から発し、ウクライナを攻撃した。自爆型ドローンも複数使われたという。

ウクライナ内務省は、24時間の攻撃で少なくとも3人が死亡し、6人が負傷したと発表している。

ロシア国防省は、「長距離精密兵器」を使用してウクライナの軍事施設に「大規模攻撃」を実施し、目的を達成したとしている。ロシア国営メディアが報じた。

ロシアは、ウクライナのエネルギー施設や軍事目標を攻撃し、ウクライナが予備軍を移動させたり、装備を補修したりできないようにしていると説明している。

ゼレンスキー大統領は、一連の攻撃でキーウ、オデーサ、ヘルソン、リヴィウを含む複数の州で停電が起きていると説明。ウクライナの防空システムがなければ、被害はさらに甚大なものになっていたと述べた。

ロシアは9月半ばから、イラン製の「シャヘド136」ドローンを使用していると考えられている。イランは武器の提供を否定している。自爆型のこのドローンは先端に爆発物を搭載し、標的の上を「徘徊(はいかい)」。攻撃指令を受けると自爆する仕組みになっている。

ベラルーシがウクライナのミサイル撃墜

ベラルーシ政府は29日、ウクライナから飛来した防空ミサイルを撃墜したと発表。。ベラルーシ外務省は、この件について駐ミンスクのウクライナ大使を呼んで抗議したと発表した。29日にはロシア軍が約70発のミサイルをウクライナに撃ち込み、過去最大規模の砲撃を展開していた。

ベラルーシ国防省は同日、ウクライナのS300地対空ミサイルを、ウクライナとの国境から約15キロにある西部ブレスト州ハルバチャ村の近くで撃墜したと発表した。

ロシアによるウクライナ侵攻が今年2月に始まって以来、ベラルーシがウクライナのミサイルを撃墜するのは初めて。

ベラルーシの国営テレビは、広い野原に落下したミサイルの破片に見えるものの様子を放送した。

目撃者はラジオ「自由欧州放送」に対して、「うちの窓が揺れて家が振動していた。音波のせいに違いない」と話した。

ウクライナ軍報道官は、これは自軍による「防空の結果」だと説明した。

これに対して、ロシアと同盟関係にあるベラルーシ政府はウクライナ政府に、事実関係の全面的な調査を求めた。

ベラルーシ軍のミサイル防衛担当将校、キリル・カザンツェフ大佐は、2つの可能性を検討していると説明。「ひとつめは、(ウクライナ軍の)訓練レベルが低いため防空ミサイルを間違って発射したか、あるいはミサイルが誤作動したか。もうひとつの可能性は、ウクライナ軍による意図的な挑発だ」と、大佐は述べた。

ベラルーシ外務省のアナトリー・グラス報道官は、「我々はこの件をきわめて深刻に受け止めている」と述べ、「このような事態の再発を防ぐため、包括的な対策をとるよう」ウクライナに求めた。

ロシア政府は、この件について非常に懸念しているとコメントした。

ウクライナ国防省は、「テロ国家ロシア」を支援しない国から専門家を招き、事実関係を調査する用意があるとした。その上で、「自分たちの空を防衛する無条件の権利」が自分たちにはあると主張した。

同省はさらに、ベラルーシ上空で迎撃されるような軌道でロシア軍がわざと巡航ミサイルを発射するという「意図的な挑発」の可能性も排除していないとした。

ブレスト州の軍幹部はソーシャルメディアに投稿した動画で、「残念ながら、こういうことはありがちだ」と述べ、11月にポーランド領内にミサイルが着弾した件と比較した。ミサイル着弾でポーランドで2人が死亡した件について、北大西洋条約機構(NATO)はウクライナの防空システムが「おそらく」原因だろうとしたが、ウクライナはこれを否定している

ベラルーシとロシアの結びつきは強く、ベラルーシ政府は2月の侵攻開始時にロシアが自国を攻撃拠点とすることを認めている。

ロシア軍の後退が各地で続いた後、ウクライナ政府は今月15日になって、ロシアが早ければ新年にもベラルーシを出発点に大規模な地上攻勢を実施しようと、計画を進めていると警告した。

しかし、ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長はBBCに対して、ベラルーシでのロシア軍の活動は陽動作戦に過ぎないと一蹴。数千の兵をベラルーシへ向かわせているのも、ウクライナが南や東に配備している部隊を、北に移動させようとしてのことだとの見方を示し、「ベラルーシ方面からキーウや国の北部を侵略しようと準備している様子は、現時点では見えない」と述べた。

(英語記事 Ukraine hit by wave of Iran drones - officials / Belarus says it downed Ukraine air defence missile

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64133874


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