2023年1月30日(月)

BBC News

2023年1月3日

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昨年10月のブラジル大統領選挙で勝利したルイス・イナシオ・「ルラ」・ダ・シルヴァ氏が1日、就任宣誓式を行った。

左派のルラ氏は、2003年から2010年まで2期にわたり大統領を務め、今回は3度目の大統領就任となった。就任演説でルラ氏は、「ひどいありさま」のブラジルを再建すると誓った。また、前任のジャイル・ボルソナロ氏の政策を批判した。

ボルソナロ氏は昨年12月30日に出国し、現在はアメリカに滞在している。そのため、大統領として最後の職務になる権限移譲の儀式には参加しなかった。

ルラ氏は前回の任期後、2017年に汚職で有罪となり、前回2018年の大統領選は服役中のため立候補を禁止されていた。有罪判決は2021年に無効となっている。

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ブラジルの現状に涙

ルラ氏と副大統領になるヘラルド・アルクミン氏は首都ブラジリア市内をオープンカーでパレードしてから、正式な就任式のある議会の建物へと入った。

宣誓後にルラ大統領は、「この国を再建し、全員のブラジル、全員のためのブラジルにする」と約束した。

ルラ氏が感極まり、ハンカチを取り出す場面も何度かあった。就任式の後にブラジル国民に語りかけた際には、信号のそばで物乞いをしている人たちのことを話し、泣き出してしまった。

議会での演説でルラ氏は、国内の一致団結と再建について語った。ブラジルは、新型コロナウイルスのパンデミックで大きな損害を受け、政治が激しく二極化している。

ルラ氏はまた、教育や保健、アマゾンの熱帯雨林の保全のための資金を枯渇させたボルソナロ政権の負の遺産を、元に戻すと約束した。

さらに、ボルソナロ氏が行った銃所持の規制緩和をただちに覆すと宣言し、議会から大きな喝采を浴びた。

前政権のパンデミック対策は「ジェノサイド」と

ルラ氏はとりわけ、前政権の新型コロナウイルス対策を強く非難。ボルソナロ氏がパンデミック中にブラジルで「ジェノサイド」を起こしたと指摘し、全面的な調査が必要だと述べた。

また、著名な気候変動活動家のマリア・シルバ氏を環境・気候相に再指名し、2030年までに熱帯雨林での伐採を停止するという公約への足掛かりとした。

人種差別が根強いブラジルでは、多様性の尊重とインクルージョン(包摂性)も課題となっており、就任式のテーマとして大きく取り上げられた。

ボルソナロ氏が権限移譲の式典を欠席したため、大統領の地位を表す国旗色のたすきをルラ氏に渡す役目は、道路掃除をしているエニ・ソウザさんに委ねられた。また、就任式には先住民のリーダーや黒人の少年、障害を持つインフルエンサーなども出席し、ルラ氏の隣に並んだ。

ルラ氏の支持者は1日の朝から議会前に集まり、周辺は同氏率いる労働者党の赤色に染まった。

「愛が憎悪に勝った」

就任式と共に行われる音楽フェスティバルには「ルラパルーザ」と名前が付けられ、60組以上のアーティストが招かれた。2つの巨大なステージにはブラジルの国旗があしらわれた。

ルラ氏の仮装をしたある参加者は、「愛がヘイト(憎悪)に勝った」というプラカードを掲げていた。別の参加者は、「ブラジルにはこの変化が必要だった」と語った。

一方、ブラジリア州は約8000人の警官「全員」を出動させ、ボルソナロ氏の支持者による妨害に備えた。

軍警察によると、男が刃物と花火をもって式典会場に侵入しようとして逮捕されている。先週には、ブラジリア市内の空港近くで、ボルソナロ氏の支持者がタンクカーに爆発物を搭載しようとしていた疑惑で逮捕された。この男は就任式に「混乱を引き起こしたかった」と話しているという。

しかし、ボルソナロ氏は自身の敗北に対する抗議行動を非難し、「我々は相手側とは異なり、規範と憲法を尊重していることを示す」よう支持者に呼び掛けている。

(英語記事 Lula is sworn in with promise to rebuild Brazil

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64149236


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