2023年1月30日(月)

BBC News

2023年1月3日

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国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ専務理事は1日、2023年の経済見通しについて、世界の3割がリセッション(景気後退)の状態になると警告した。米CBSニュースの番組で話した。

ゲオルギエヴァ専務理事は、アメリカ、欧州連合(EU)、中国の経済が失速するのに伴い、2023年は昨年より「厳しくなる」として、「世界経済の3割が景気後退の状態になると予測している」と話した。

「景気後退ではない国でも、何億人もの人が、まるで景気後退のようだと感じることになる」とも、専務理事は述べた。

ゲオルギエヴァ氏はさらに、2023年冒頭は世界第2の経済大国・中国にとって厳しい時期になるだろうと予測。「今から数カ月間は中国にとって厳しいものになる。中国の経済成長への影響はマイナスになり、地域への影響も、世界的な成長への影響もマイナスになる」と語った。

190カ国が加盟するIMFは、経済成長の安定を図る国際機関。世界の経済と金融市場の動向を監視し、経済動向について早期に警告することが、主な役割の一つだ。

IMFは昨年10月に公表した世界経済見通しで、世界経済は悪化しており、「最悪の時期はこれから来る」として、「多くの人は、2023年にリセッションを感じるだろう」と警告。ウクライナでの戦争が世界中で物価を押し上げていると説明していた。

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その後も各国の利上げは続き中国では新型コロナウイルスの感染がまたしても拡大するなど、経済成長への負荷が高まっている。

ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、カトリナ・エル氏はBBCに対して、「世界的な景気後退は避けられるというのが、私たちのベースライン(基準線)予測だが、世界的な景気後退の可能性は不穏なほど高い。欧州では景気後退を避けられないし、アメリカはそのがけっぷちにいる」と話した。

中国国家統計局が昨年12月31日に発表した12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、3カ月連続で前月から低下。低下ペースは約3年で最速だった。12月7日にゼロコロナ政策が大幅に緩和された後、感染が急拡大したため、国内の製造業に支障が出ているという。

習近平国家主席は12月31日夜、恒例の新年のあいさつで、新型コロナウィルス対策で中国は「新しい段階」に入ったと述べた。ゼロコロナ政策の緩和以降、習氏が国民に向けて発言するのはこれが初めてだった。

アメリカ経済の失速は、中国やタイ、ヴェトナムなどアジア諸国で作られる製品の需要が減ることも意味する。また各国の利上げによって資金調達コストが上がるため、企業は設備投資や事業拡大を控える可能性が高く、景気の冷え込みにつながりかねない。この影響で、特に貧しい国の消費者は、食費や光熱費に使える資金が減る恐れがる。

英投資会社シャード・キャピタルのビル・ブレイン氏は、IMFの警告は「効果的な目覚まし」だとBBCラジオで話した。

「世界中の労働市場は比較的堅調だが、創出されている職種は必ずしも高給ではなく、景気後退になる。金利は、市場が思うほどすぐに下がったりはしない」とブレイン氏は言い、「その結果、あらゆる波及効果が出ることになっ、少なくとも2023年前半までの市場は、やきもきする状態が続く」と見通しを示した。

(英語記事 Third of world in recession this year, IMF head warns

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64149125


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