2023年1月30日(月)

BBC News

2023年1月4日

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ロシアが占領するウクライナ東部ドネツク州マキイウカで1日未明に、ロシア軍臨時兵舎がウクライナにミサイル攻撃された件について、ロシア国防省は4日朝、複数のロシア兵が携帯電話を使用していたからだとの見方を示した。被害の規模については、少なくとも89人が死亡したと発表。ウクライナが1日に400人死亡と発表したのに対して、ロシアは当初63人死亡としていた。

ロシア国防省によると、1日午前0時1分ごろ、アメリカ製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」のロケット砲6発が、動員された徴集兵の臨時兵舎にしていた職業訓練校に撃ち込まれた。2発は迎撃したという。

国防省は、兵士に禁止していたはずの携帯電話の使用がきっかけとなり、敵に位置を特定されたとしている。4日早朝に通信アプリ「テレグラム」で、声明を発表した。声明によると、部隊の副官だったバチュリン中佐も死亡したという。

詳しい被害状況と原因は調査中だが、兵に携帯電話の使用を禁止していたにもかかわらず、ウクライナの武器の射程圏内にある部隊で「大勢が」携帯電話を使ったことが、攻撃に遭った主な理由なのは「すでに明らかだ」と国防省は説明。「これが要因となり、敵は兵員を発見し、ミサイル攻撃のため位置を特定することができた」のだという。

事実関係の調査で有責者が見つかれば処罰するほか、再発防止の手立てを講じると国防省はコメントした。

さらに、死者は89人だと情報を更新した。ロシアは当初、死者は63人としていた。

被害の規模について、双方の主張とも第三者による検証ができない状況となっている。ロシア政府が戦死者が出たことを認めるのはきわめて異例。昨年2月に戦争が始まって以来、個別の攻撃で犠牲になったとロシアが認める兵の人数としては、最も多い。

ウクライナ軍は当初、兵舎攻撃でロシア兵400人が死亡したほか、300人が負傷したと発表。クライナ軍司令部は後に、この攻撃で「敵軍の装備を最大10ユニット」「破壊もしくは損傷」させたと説明。また「占領者の人員喪失について、規模を特定中」だと述べた。

職業訓練校には攻撃当時、徴集兵が大勢いた。ウラジーミル・プーチン大統領が昨年9月に発表した部分的動員令で集められた30万人の一部とみられる。兵舎の近くに砲弾や銃弾も保管されており、ミサイル攻撃を受けて校舎は瓦礫と化した。

ロシアのコメンテーターや政治家の間には、軍の失態を批判する声も上がっている。今回の職業訓練校のように無防備な施設を、兵舎にしたことも批判されている。

ドネツク州でロシアが後押しする自称「独立共和国」の元幹部パヴェル・グバレフ氏は、大勢の兵士を一カ所に集めて宿泊させたのは「犯罪的な過失」だと非難。「誰も処罰されないなら、事態は悪化する一方だ」と述べた。

モスクワ市議会のアンドレイ・メドヴェジェフ副議長は、多くの兵士を一カ所に集める判断をした司令官ではなく、兵士たちが非難されるのは、予想できたことだと批判した。

(英語記事 Makiivka: Russia blames missile attack on troops' phone use

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64159450


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