2023年1月30日(月)

BBC News

2023年1月5日

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米アマゾン・ドット・コムは4日、経費削減の一環として人員削減を予定しており、過去最多の1万8000人超を対象にすると明らかにした。アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)が従業員にメッセージを送った。

ジャシー氏は、人員削減計画の発表を前倒ししたとし、「チームメイトの1人がこの情報を外部に漏らしたからだ」と説明した。

アマゾンの従業員は全世界で150万人に上る。同社は、どの国のスタッフが削減対象になるか言明しなかったが、ヨーロッパは含まれるとした。

ジャシー氏はスタッフへのメッセージで、「影響を受ける人たちを支持するため、解雇補償金、移行期間中の健康保険、再就職支援などのパッケージを提供する」と述べた。さらに、削減される役職の「大半」はアマゾン・ストア事業や「ピープル・エクスペリエンス・テクノロジー」チームが対象になると説明した。

アマゾンは昨年11月、人員削減の規模を明示しないまま、社員の数を減らすつもりだと明らかにしていた。米メディアは当時、対象者数は約1万人だと伝えていた。

同社はすでに新規採用を凍結し、倉庫拡大計画の一部を停止。パンデミックの最中に、人員を採用しすぎたと説明していた。さらに、個人用の宅配ロボットなど新規事業の一部を、中止していた。

ジャシーCEOは社員へのメッセージで、「ここ数年、急速に採用を拡大したことと、経済状況が不透明なため」事業計画の見直しは、通常より困難だったと認め、「長く続く会社というのは、さまざまな段階を経るものだ。毎年のように人員を大幅に増やすというものではない」とも述べた。

「ばんそうこうをはがしている」

世界的な景気後退の懸念と物価上昇の危機によって消費者の支出が後退する中、多くのテクノロジー大手が従業員の削減を迫られている。

「パンデミックの前は、IT企業の人員削減というと、特に低調な部門の1~3%を取り除くだけだった」と、シリコンバレーを拠点とするコンサルタント「コンステレーション・リサーチ」のレイ・ワン氏はBBCに話した。

米投資会社ウェッドブッシュ・セキュリティーズのダン・アイヴズ氏は、消費者がこれからさらに支出を絞れば、アマゾンは「今後ますます厳しい状況」になると話した。「マクロ経済の状況悪化をアマゾンは見通していて、ジャシーCEOは利益確保のためにばんそうこうを一気に引きはがしている」。

フェイスブックを運営する米メタ・プラットフォームズは昨年11月、1万1000人超の人員削減を発表した。これは、全従業員8万7000人の13%に相当する。メタのマーク・ザッカーバーグCEOはこれについて、「メタの歴史で最もつらい変化のひとつ」だったと述べた。

ソーシャルメディア「リンクトイン」ではすでに昨年11月から、レイオフ(一時解雇)の影響を受けたというアマゾン従業員からの投稿が続いていた。BBCが確認した投稿の中には、アマゾンの「アレクサ」関連のバーチャル・アシスタント事業、クラウドゲームサービス「ルナ」の部門、電子書籍「キンドル」事業を担当する子会社「Lab126」の従業員によるものがあった。

米ツイッター社では、イーロン・マスク氏による買収が10月末に完了したのに伴い、11月初めまでに約半数の従業員が解雇された。


<解説> IT企業にも厳しい時代――ゾーイー・クラインマンBBCテクノロジー編集長

アメリカのテクノロジー大手にとって、厳しい時代が続く。最新ニュースはアマゾンだが、巨大IT企業によるレイオフの発表は数カ月前から続いていた。

多くの企業は経費削減のために広告費を抑えており、消費者は生活費上昇を受けて支出を控えている。これが組み合わさって、IT企業にとって大打撃になっている。

パンデミックによるロックダウンの最中には、自宅で退屈していた人のネット利用が一気に激増し、多くのIT企業が成績絶好調だった。しかしそれも終わった。

アマゾンはこれまでにすでに、「アレクサ」として知られる「エコー」や、宅配ロボットなどの事業への支出を減らすと発表していた。どれも、あれば便利だが、特に利益をあげていないプロジェクトだったからだ。

一般論としてよく言われることだが、シリコンバレーではこれまで、特に直ちに必要でない人材でも、優秀な人を他社にとられないようにするため、高給を払ってつなぎとめていく習慣があったとされる。しかしこのかなりぜいたくな企業文化を、IT大手はもはや維持できなくなったようだ。

(英語記事 Amazon to shed over 18,000 jobs as it cuts costs, CEO says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64171505


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