2023年2月8日(水)

BBC News

2023年1月11日

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世界銀行は10日、世界経済見通しを発表し、2023年の成長率予測を1.7%へと下方修正した。昨年6月時点での予測は3%だった。

世銀は世界経済がリセッション(景気後退)入りする可能性があるとしている。多くの要因がロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルスのパンデミックに関わるものだと指摘している。

政策立案者が克服すべき重要な課題には金利上昇による影響が挙げられている。

世銀のデイヴィッド・マルパス総裁は、景気後退は「広範囲に及ぶ」だろうとし、世界のほぼすべての地域で所得の伸びがパンデミック以前の「10年間よりも鈍化する」可能性が高いと述べた。

1.7%という成長率は、世界金融危機と新型ウイルスのパンデミックによる2009年と2020年のリセッションを除けば、1991年以来最低の水準。

世銀は、世界の経済成長に最も影響力のあるアメリカ、ユーロ圏、中国の3地域が「いずれも顕著な弱さの時期を迎えている」と分析。こうした景気低迷が、より貧しい国々が直面する問題を悪化させていると指摘した。


先進国の経済成長率はパンデミック開始後の2021年に5.3%へ急上昇したが、2022年の2.5%から2023年には0.5%へ減速する可能性が高い。

世銀は「過去20年間、この規模の減速は世界的な景気後退の予兆となってきた」と警告。「急激かつ長期にわたる減速」が起きると予測していると付け加えた。

もし世界的景気後退が起きれば、1930年代以来初めて、10年間で2度の世界的景気後退に見舞われることになる。

物価上昇への対応

世界経済が苦境に陥っている主な理由の1つはインフレ率の上昇だ。ロシアによるウクライナ侵攻で作物の供給が減り、欧米諸国はロシア産化石燃料からの脱却を迫られたことで、世界の食料価格とエネルギー価格は昨年急騰した。

世銀はこうした圧力が緩和されるにつれ、2023年の世界の物価上昇ペースは2022年の7.6%から5.2%に減速するとの見通しを示した。

また、「価格高騰の可能性はある」としつつ、エネルギー価格は全般的に下がる見通しだとした。世界的な生産量の増加と、エネルギー危機で企業や一般家庭がガスの使用を控えている欧州で需要が低下していることを理由に挙げた。

2022年に13%上昇した作物の価格は、数年前に比べれば高値が続くものの、今年は5%下がると世銀は予測している。

一方で、インフレ率は一般的に健全とされる2%を大きく上回ると予測されている。

アメリカやイギリスなど数十カ国の中央銀行は、この問題に対処するため金利を引き上げ、自国経済を落ち着かせようとしている。


しかし、これらの中央銀行は経済を後退させることなく生活費危機に対処するため、繊細なかじ取りを続けている。

借入コストの上昇が企業投資を抑制し、負債に苦しむ企業が増えていると世銀は警告した。発展途上国の経済は、さらなる引き上げが予想されるアメリカの金利によって圧迫されている。これらの国の多くは米ドルで資金を借り入れている。

世銀は世界経済が「圧迫されて」いても、政府が適切な政策を取れば希望が見えてくる可能性はあるとした。そして、投資や雇用の創出、気候変動への対応、貧困国の債務処理、国際貿易の促進を推し進める対策を提言した。

(英語記事 Global recession is perilously close - World Bank

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64232299


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