
ブランドン・ドレノン、BBCニュース(ワシントン)
米軍による未確認飛行物体(UFO)の目撃証言が、新たに数百件に上っていることが、新たに公開されたべ政府報告書から明らかになった。
アメリカの国家情報当局は、これまでに510件の目撃情報を把握している。情報機関が2021年に初めて行った調査で判明した144件から、大幅に増えた。
報告書では、目撃情報の半数近くは「特筆する点がない」とされており、人間の活動によるものとされている。
一方で、100件以上の目撃情報がなお、説明がつかないままとなっている。
「性質がつかめず、帰属も分からない」
この報告書は、UFOにまつわる体験を「非正統化」し、航空安全を改善する対策の一部として編纂(へんさん)されたもの。
それによると、「未確認飛行現象(unidentified aerial phenomena、UAP)」との遭遇は引き続き「制限空域や慎重を要する空域で発生」しており、国家安全保障と「安全についての懸念材料となる可能性がある」としている。
一方で、遭遇の報告が増えているのは、まさに「UAPという話題を非正統化し、代わりに飛行安全上の危険と、潜在的な敵対行為のリスクを認識するための集中的な努力」の結果だとしている。
新たに報告された366件の報告のうち、26件はドローン(小型無人機)、163件は風船、6件はレーダースクリーン上の乱れだと結論付けられた。
しかし、171件については今なお、「性質がつかめず、帰属も分からない」とされている。これは、遭遇した物体を特定するのに十分な情報が集められなかったことを意味している。
「未特定のUAPの中には、異常な飛行特性やパフォーマンス能力を示したと思われるものがあり、今後さらに分析が必要」だと、報告書は述べている。
「宇宙人を示唆するものはない」
目撃報告のうち、地球外からの活動と結びつけられているものはない。
米国防総省は昨年、全領域異常解決局(AARO)を設立し、UFOの目撃報告を調査している。
AAROは今後、未確認現象による事件の通報と分析に重点を置き、情報機関と協力してそれらの事件の評価をさらに進めていくと、報告書は説明している。
国防総省のロナルド・モートリー情報・安全保障防衛担当次官は昨年12月、「目撃物体に、地球外由来かもしれないものが含まれるなど、思えるような内容は目にしていない」と話した。
「宇宙人の訪問や墜落、およびそれらを示唆するものは、これまでの収集データで見ていない」
その上でモートリー次官は、残りのUFOが地球由来のものかどうか、特定努力は続行すると話した。
「正体を突き止めるまでは、敵対的なものかもしれないと仮定する(中略)ゆえに、その可能性を真剣に受け止めなくてはならない」