
米ホワイトハウスは14日、デラウェア州にあるジョー・バイデン大統領の自宅から、機密文書が新たに6ページ見つかったと発表した。
バイデン大統領の特別法律顧問リチャード・サウバー弁護士は、書類5ページを見つけたのは12日のことで、速やかに司法省に引き渡したと説明した。
ホワイトハウスのイアン・サムス報道官は、サウバー弁護士の声明をツイート。それによると、バイデン氏個人の弁護団が司法省や国立公文書館と連携の上、バイデン氏の自宅や、ワシントンのシンクタンク「ペン・バイデン・センター」でかつてバイデン氏が私的に使っていたオフィスを探したところ、機密文書1枚を11日に自宅で発見。この弁護団は機密書類の閲覧権限を持たないため、その時点で書類探しを中断した。機密閲覧権限のあるサウバー法律顧問が翌12日に、司法省職員と共にデラウェア州ウィルミントンのバイデン邸を訪れ、この1枚を確認し、司法省に提出する手はずを整えていたところ、さらに5枚、機密指定のある書類を見つけたため、合わせて司法省に提出したという。
サウバー法律顧問は、一連の機密書類発見についてはすでに司法省が特別検察官を任命しているため、ホワイトハウスは特別検察官に全面的に協力する方針だと述べた。
これに先立ち米CBSニュースは、バイデン氏のスタッフが昨年11月にワシントンのシンクタンク「ペン・バイデン・センター」で見つけた10ファイル分の政府文書の中に、「トップ・シークレット」指定の機密文書が含まれていたと報じている。同センターは、外交をテーマにしたペンシルヴェニア大学の機関で、オバマ政権の副大統領として任期を終えたバイデン氏のオフィスがその中にあった。昨年11月にバイデン氏のスタッフがこのオフィスを片付けていた際、バイデン氏が副大統領時代の機密文書を見つけ、司法省に連絡したという。
12月にはバイデン氏の自宅で10未満の政府文書をスタッフが見つけたが、そこに「トップ・シークレット」のものはなかったとCBSは伝えている。
サウバー法律顧問がバイデン邸で今回新たに確認した6ページの機密文書は、それに加えてということになる。
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アメリカの政府文書には機密指定の段階が3つある。「confidential(部外秘)」、「secret(秘密)」、「top secret(極秘)」で、最高レベルの機密情報が漏洩(ろうえい)すれば、「きわめて深刻な被害」をもたらす可能性がある。
野党・共和党はホワイトハウスに、バイデン氏の自宅の訪問者履歴を公表するよう求めているが、ホワイトハウスはこれについて方針を示していない。
AP通信によると、バイデン氏は2021年1月に就任して以来、在任期間の4分の1以上にあたる200日近くを、地元デラウェア州で過ごしている。今週末も同州ウィルミントンに滞在している。
フロリダ州にあるドナルド・トランプ前大統領の私邸兼リゾート施設を昨年8月に連邦捜査局(FBI)が家宅捜索し、複数の最高機密書類を押収している事件について、バイデン氏はこれまで「まったく無責任」だと批判していた。
司法省は、トランプ氏による公文書の扱いも捜査している。トランプ氏の私邸では300以上の機密書類が見つかり、「秘密」や「極秘」指定のものもその中に含まれていた。FBIのトランプ邸強制捜査に先立ち国立公文書館は、トランプ氏による公文書の取り扱いをめぐり司法省に捜査を依頼していた。
(英語記事 More classified material found at Joe Biden's Delaware home)