2023年2月8日(水)

BBC News

2023年1月15日

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ジョナサン・ビール防衛担当編集委員、ジャスミン・アンダーソン記者 BBCニュース

イギリスのリシ・スーナク首相は14日、ウクライナにイギリス陸軍の主力戦車「チャレンジャー2」を供与することを決めた。英首相官邸が明らかにした。

英首相官邸によると、スーナク首相は14日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話会談し、チャレンジャー2戦車のほか、砲撃システムを追加供与すると伝えた。官邸は、戦車や武器の供与は、「支援を強化したいイギリスの意向の表れ」だと説明した。

イギリス政府はまずはチャレンジャー2戦車を14台、ウクライナに提供する方針だと、BBCの取材で分かった。自走榴弾砲AS-90も約30門、新たに届ける見通し。

ゼレンスキー大統領はイギリスに感謝し、イギリスによる戦車の提供は「我々を戦場で強くしてくれるだけでなく、他の協力国に正しい合図を送ることになる」と述べた。さらに、イギリスの支援は「一貫して強力」だったし、「今や揺るぎないものだ」とたたえた。

英首相官邸によると、両首脳は電話会談で、ウクライナの最近の連勝について意見交換したほか、「この時機をとらえて、世界的な軍事・外交支援を加速」する必要があると話し合ったという。

スーナク首相は、ウクライナ軍が「ロシアの部隊を押し戻す」一助にイギリス陸軍の主力戦車がなるはずだと述べた。

チャレンジャー戦車は1990年代後半の製造から20年以上たっているものの、ウクライナ軍にとっては最も新しい戦車となる。乗員を守る防御力が増し、砲撃の精度も上がることになる。

イギリスによる戦車供与だけで戦況が一変するとは思われていないものの、これを機に他国もウクライナにより新しい装備を提供することが期待されている。

現時点ではポーランドが、ドイツ製のレオパルト戦車14台をウクライナに提供する方針だが、これにはドイツの承認が必要。欧州では複数の陸軍がレオパルト戦車を使っている。

ウクライナはこのほか、米軍の主力戦車エイブラムスの提供を期待している。エイブラムス戦車は、レオパルト戦車と同じ大砲を使っている。

ドイツとアメリカの両政府は今月初め、フランスと共に装甲戦闘車両をウクライナに提供することで合意している。実現すれば、ウクライナ軍の実戦能力は大幅に増強されることになる。

英最大野党・労働党のジョン・ヒーリー影の国防相は、チャレンジャー戦車のウクライナ供与について労働党は政府の決定を全面的に支持すると述べた。

「新式戦車は、ウクライナがロシアの侵略に対抗して勝利するために欠かせないものだ」と、ヒーリー氏は話した。

一方、ロシア外務省のマリア・ザハロヴァ報道官は「前にも言ったように、提供される兵器は、ロシアにとって正当な攻撃対象だ」とコメントした。

各地で砲撃続く

ロシア軍は14日、ウクライナ各地で新たなミサイル攻撃を繰り広げた。東部ドニプロペトロウシク州ドニプロでは集合住宅が破壊され、少なくとも12人が死亡した。このほか首都キーウや東部ハルキウ市、南部オデーサなど多数の都市が攻撃を受けた。

複数の都市で電力インフラがミサイル攻撃を受け、ウクライナの大部分で緊急停電が起きている。

前日の13日には、長く戦闘が続いていたウクライナ東部の町ソレダルを制圧したと主張し、ロシアの攻勢にとって「重要な」一歩だと表明した。ロシア軍報道官は、ソレダル制圧によって戦略的に重要なバフムートへ軍を進められるようになるほか、ウクライナ軍を孤立させられると説明した。

一方、ウクライナ当局はソレダルでの戦闘は続いているとしており、ロシアがかく乱用の「雑音」を情報として出していると非難した。

(英語記事 UK to send Challenger 2 tanks to Ukraine, Rishi Sunak confirms

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64279830


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