2023年2月5日(日)

BBC News

2023年1月24日

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岸田文雄首相は23日、衆参両院の本会議で施政方針演説を行い、少子化により社会機能を維持できるかどうかの「瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれている」と語った。

岸田首相は、「急速に進展する少子化により、昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、我が国は、社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれている」と述べ、こども・子育て政策への対応は「待ったなしの先送りの許されない課題」だとした。

また、4月に発足するこども家庭庁の下で「今の社会において、必要とされるこども・子育て政策を体系的に取りまとめつつ、6月の骨太方針までに、将来的なこども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示する」と付け加えた。

日本政府は以前にも同様の戦略の推進を試みたが、うまくいかなかった。

人口約1億2500万人の日本の昨年の出生数は、統計開始以来初めて80万人を割り込む見通し。1970年代の年間出生数は200万人以上だった。

出生率は日本の近隣諸国など多くの国で低下しているが、特に日本で深刻な問題になっている。

ここ数十年で平均寿命が延びている日本では、高齢者人口が増える一方で高齢者を支える労働者数は減少している。

世界銀行のデータによると、日本の65歳以上の高齢者の割合は約28%と、小国モナコに次いで世界で2番目に高い。

2020年には複数の研究者が、日本の人口が2017年の1億2800万人をピークに減少し、今世紀末には5300万人を下回ると予測した。公式データによると、現在の人口は1億2500万人弱となっている。

日本では限定的な緩和のほかは、厳しい移民法を維持してきた。高齢化社会に対応するためには、こうした規則をさらに緩和すべきだと指摘する専門家もいる。

出生率の低下は、生活費の上昇、教育や仕事に従事する女性の増加、避妊具を入手しやすくなったことなど、さまざまな要因によって引き起こされている。このため女性は、かつてほど多くの子供を産まない選択をしている。

先週には中国が、60年ぶりに人口が減少に転じたと発表した

<解説>「移民受け入れへの強い拒否感は揺るがない」――ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ、BBC東京特派員

日本は小国モナコに次いで、世界で最も高齢化の進む国だ。生まれる子供の数は減り続けている。2050年までに人口は現状から2割は減っているかもしれない。

それでもなお、移民受け入れへの強い拒否感は揺らいでいない。日本の人口のうち、外国で生まれた人はわずか約3%だ。イギリスの場合は15%だ。ヨーロッパやアメリカの右翼運動は、日本こそが純血主義と社会的調和の輝かしいお手本だとたたえる。

しかし、そうした称賛をよそに、日本は実はそれほど人種的に一様ではない。北海道にはアイヌがいて、南には沖縄の人たちがいる。朝鮮半島にルーツを持つ人たちは約50万人。中国系は100万人近くいる。そして、両親の片方が外国人だという日本の子供たちもいる。私の子供3人もここに含まれる。

2つの文化にルーツを持つこうした子供は「ハーフ」、つまり「半分」と呼ばれる。侮辱的な表現だが、この国では普通に使われる。有名人や有名スポーツ選手にもいる。たとえば、テニス界のスター、大坂なおみ選手もその1人だ。大衆文化では、「ハーフはきれいで才能がある」とちやほやされることもあるが、ちやほやされるのと、受け入れられるのは、まったく別のことだ。

出生率が低下しているのに移民受け入れを拒否する国がどうなるか知りたいなら、まずは日本を見てみるといい。

実質賃金はもう30年間、上がっていない。韓国や台湾の人たちの収入はすでに日本に追いつき、追い越している。

それでも、日本は変わりそうにない。原因の一部は、権力のレバーを誰が握るのか決める、硬直化した仕組みにある。

(英語記事 Japan on the brink due to falling birth rate - PM

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64357321


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