2023年2月2日(木)

BBC News

2023年1月24日

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ロシアからノルウェーにわたって亡命申請した、ロシアの民間雇い兵組織「ワグネル・グループ」の元指揮官の男性が23日、ノルウェー警察に逮捕された。

ノルウェー警察のヨン・アンドレアス・ヨハンセン報道官はBBCに対し、移民法違反の疑いで、アンドレイ・メドヴェージェフ容疑者(26)を逮捕したと説明した。

メドヴェージェフ容疑者の弁護士ブリュンユルフ・リスネス氏によると、同容疑者はオスロ地域の勾留施設に移送された。メドヴェージェフ容疑者はこれまで、当局が提供する避難所に滞在していた。

リスネス弁護士は、「警察はメドヴェージェフ氏の立場を極めて危険だと判断した」のだと説明。「誰もが避けたかった状況だが、解決策を探している」と述べた。

逮捕されたことでメドヴェージェフ容疑者に対する警備はこれまで以上に厳重になるが、待遇は引き続き証人としてのものだと、弁護士は話した。

メドヴェージェフ容疑者は13日に越境し、ノルウェーの国境警備隊に拘束された。ワグネル関係者で西側諸国に亡命したのは、同容疑者が初めてとみられている。

ワグネルはロシア政府と強いつながりを持ち、ロシアのウクライナ侵攻に携わっている。ウクライナ当局によると、ロシア勢力の約1割をワグネルが担っている。

メドヴェージェフ容疑者は、ウクライナでの戦争犯罪を目の当たりにし、ワグネルを離れたと主張。ドンバス地域での戦闘では、ワグネルの内部保安サービスによる「脱走兵の処刑」など多数の戦争犯罪を目撃したという。

ロシアを追放された人権団体「Gulagu」の創設者ウラジーミル・オセチキン氏は、メドヴェージェフ容疑者は、ワグネルから自分との契約を無期限に延長する方針を知らされ、またワグネルの「テロリスト的な手法」を目撃したため、逃亡を決めたのだと話した。

メドヴェージェフ容疑者は、ワグネル幹部について証言する意思があると示唆しているという。

ノルウェーの公共放送NRKが報じた警察の声明によると、メドヴェージェフ容疑者を聴取している特殊部隊は、同容疑者のワグネル内での経歴に興味を持っている。同容疑者は、最近ウクライナ東部ソレダルやバフムートで行われた激戦に深く関わっていたとみられている。

「Gulagu」はメドヴェージェフ容疑者逮捕の一報が流れた後、同容疑者はノルウェーから国外追放されると聞かされたとソーシャルメディアに投稿した。また、同容疑者はロシアに戻れば「暴力的に殺される」と恐れていると述べた。しかしノルウェー当局は、メドヴェージェフ容疑者の追放を示唆していない。

リスネス弁護士はBBCの取材で、メドヴェージェフ容疑者が追放されそうだという情報は「まったく真実ではない」と発言。同容疑者とノルウェー警察の間ですれ違いがおきているかもしれないと語った。

オセチキン氏はBBCの取材には応じず、記者にソーシャルメディア上の「Gulagu」の声明を読むよう促した。

オセチキン氏はフェイスブックに、「我々はメドヴェージェフ氏の過去をなかったことにしようとは思っていない。彼はたくさん悪いことをして生きてきた」と書いた。

「それでも彼は光を見出した。今では、ワグネルや創業者のエフゲニー・プリゴジンについて、ノルウェーや国際当局に協力しようとしている」

(英語記事 Russian mercenary who fled to Norway arrested

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64382759


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