2024年2月27日(火)

2023年3月20日

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日本のレアメタル・レアアースの専門商社として世界的に知られる企業がある。2004年のグループ参入以降、連携を図ってきたアルコニックスの手代木社長に今後の展望を伺った。

最初に手掛けた商社流通のM&A 

アルコニックス株式会社 代表取締役 社長執行役員COO 手代木 洋(てしろぎ・ひろし)
1981年日商岩井株式会社(現:双日株式会社)入社。2003年アルコニックス株式会社に入社以来、アルミ・銅製品事業に携わり2004年執行役員就任時に同事業のトップに。2014年取締役就任後も、国内外流通、海外ビジネス展開において統率力を発揮。コーポレート部門長、連結子会社役員等の要職を経て2022年4月取締役社長執行役員COO、同年6月代表取締役社長執行役員COOに就任。

 商社機能と製造機能を併せ持つ「アルコニックス」。M&A(2023年3月時点で21件)により事業拡大し続ける、非鉄金属を専門領域とする総合企業である。手代木社長はグループとしての見通しをこう語る。

 「ロシア・ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰で、世界的にも物価が上がり混沌とした状況ではあるが、私達は待遇の向上による従業員の定着化、モチベーションアップを図り、人員的にも組織的にも土台を固めていく。それと並行してDX化にも力を入れていきたい」

 アルコニックスグループのみならず、全世界的なDX推進の流れによって需要が急増しているのが、様々な電子機器や新たな技術に用いられる注目の非鉄金属、レアメタル・レアアース。2004年、アルコニックスが最初にM&Aを手掛けたアドバンストマテリアルジャパン株式会社(以降、AMJ)はまさにレアメタル・レアアースの専門商社であり、アルミや銅といったベースメタルを扱うアルコニックスにとっても、新たなブランドづくりのパートナーとして魅力的な存在であった。互いにノウハウも共有しながら、後述するリサイクルへの事業投資などを通して成長し続けるAMJ。M&Aからまもなく20年を迎えるにあたり、グループとしてさらなるシナジー効果が期待される。

需要が高まるレアメタル市場

 チタンやニッケルなど、抽出が難しいものや生産量が少ない鉱物資源として、その名の通り希少な非鉄金属を指すレアメタル。希土類といわれるレアアースもその一種であり、発光ダイオード(LED)などの電子部品や永久磁石に用いられる。実際に金属そのものを見る機会は少ないが、PCやスマートフォン、自動車など、我々の日常に欠かせない重要なツールの一部である。コロナ禍の巣ごもり需要の後、企業におけるDX化の潮流や昨今の世界的な「脱炭素化」「カーボンニュートラル」への取り組み、EV(電気自動車)化に伴う需要の高まりで、レアアースの価格は2021年以降に上昇傾向にある。

(右上)レアメタルの一種「レアアース」。 (左上)台湾の Lianyou Metals社全景。 (右下)AMJ社内にはくつろげるカフェスペースも。 (左下)リサイクルするタングステンのスクラップ。 写真を拡大

 そうしたレアメタル・レアアースの輸出入や、付随する設備販売を行うAMJの福田社長は会社の強みについてこう語る。

 「まだレアアースが今ほど知られていない頃から、ボラティリティ(価格変動)が高くニッチで幅広い原料を取り扱ってきました。最大の特長は小規模だからこその小回りの良さと、業界の豊富な知識や経験を持つ者が長く在籍していること。大規模調達・精製・加工などの実績が多く、小〜大ロットでの発注も可能です」

 海外拠点も増強しながら盤石な体制を整えてきたAMJ。2010年の尖閣諸島中国漁船衝突事件をきっかけに、大半のレアアース供給元である中国が輸出を制限した際にも、AMJは中国の現地法人を活用できたことで2011年の売上を飛躍的に伸ばした実績がある(過去最高の712億円を記録)。世界情勢などの外的要因で相場変動はあるものの、2004年の設立当初から20年弱で、売上高は6倍近くにも及ぶ約470億円(2021年3月期)、総資産も連結で187億円規模に成長を遂げた。

リサイクル事業の拡大に注力

 現在、AMJが重点的に進めているのがリサイクル事業。出資先のタイ・バンコクの会社では特殊鋼などに使われるタングステン・タンタルスクラップ(廃棄材)の加工・選別、台湾の会社ではタングステンスクラップを回収してもう一度原料として資源化するリサイクルビジネスを行っている。スクラップから得られるコバルトは超硬工具原料・特殊鋼原料としての使用のみならず、今後期待される電池産業への展開も視野に入れている。また、AMJの提携先であり、処理受託業務を担っている岐阜県の炭化装置製造・販売会社では、炭化炉で廃棄物などの有機物を熱分解させることで、焼却炉よりも二酸化炭素の排出を抑えながら部品のリサイクル、資源の有効活用ができるため、各方面から引き合いがあるという。

 アルコニックスグループでは、そうした様々なリサイクルを組み込み、ゆくゆくは総合的なリサイクルセンターに拡大したいと考えている。加えて、「受動的なM&Aではなく、能動的なM&Aを手掛けることでさらに収益を上げ、企業価値を高めていきたい」とアルコニックス手代木社長が話すように、この先も業界縮小や後継者問題を抱える企業、見直しを図る企業に焦点を当てながら、共に足りない部分を強化できるビジネスパートナーを見つけ、積極的にアプローチしていく構えだ。そうしてミッシングリンクを埋めることができれば、グループが目指す非鉄金属の素材・部品・製品のワンストップソリューションが可能になる。

 アルコニックスがその理想を実現するためには、あらゆる嗅覚を研ぎ澄まし、市場動向を見極めながら恐れず柔軟に突き進むことが、先行き不透明な現代を生き抜くカギとなるだろう。

 

レアメタル業界のリーディングカンパニーとして

 

 

アドバンストマテリアルジャパン株式会社
代表取締役社長
福田 聡
(ふくだ・さとし) 
早稲田大学理工学部を卒業後、日商岩井株式会社に入社。1995年~2001年には日商岩井ドイツ会社新材料非鉄金属へ出向。その後CBMMアジア社、株式会社メタルワンを経て2019年にアドバンストマテリアルジャパン株式会社に入社。取締役副社長を経て2020年6月代表取締役社長に就任。

 

レアメタル、レアアースの原料を扱う商社として、これまで同様に安定供給に努める他、循環型社会に貢献できるようリサイクルビジネスを強化してまいります。また、海外拠点の地域特性を活かしながら、収益が相場に左右されないビジネスモデルを構築し、調達から原料供給までお客様のご要望に応じたトータルソリューションを提供いたします。

 

アドバンストマテリアルジャパン株式会社 
設立 2004年2月  
従業員 40名(連結) ※2023年1月末日時点
拠点 東京(AMJ)、シンガポール(AMT)、北京(AMB)
/モスクワ事務所/連絡事務所(ウラジオストック、トロント、北京)
売上高 約470億円(2021年度実績)
https://www.amjc.co.jp/