2023年3月30日(木)

BBC News

2023年3月17日

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ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は16日、旧ソ連製の戦闘機4機を数日中にウクライナに供与すると発表した。ロシアによるウクライナ侵攻開始後に北大西洋条約機構(NATO)加盟国がウクライナに戦闘機を供与するのは初めて。

ドゥダ大統領また、将来的に追加供与も行う方針だとした。

ウクライナの防空体制にとっては待ち望んだ強化となるが、これらの戦闘機がロシアとの戦争に決定的な影響をもたらすことはないとみられている。

ウクライナ議会のオレナ・コンドラチュク副議長は、多くの国がポーランドに追随することを期待していると述べた。

ほかのNATO加盟国は、ウクライナのパイロットが操縦訓練を受けているソ連時代の航空機の供与を検討している。

ウクライナは以前、F-16戦闘機のような近代的な戦闘機を提供するよう、西側諸国に求めていた。

イギリスはウクライナのパイロットにNATO規格の航空機の操縦訓練を行っている。ただ、長期的な訓練が必要となるため、イギリスは西側の戦闘機供与は長期的な選択肢に過ぎないと警告している。

アメリカのジョー・バイデン大統領は1月に、米軍のF-16戦闘機をウクライナに供与しない考えを示している。

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ロシアによる本格侵攻が始まった当初、ウクライナは戦闘に使用可能な航空機(主に老朽化したMIG-29とSu-27)を約120機保有していると考えられていた。

ドゥダ氏によると、ポーランドでは現在も、ソ連時代のMIG-29が12機ほど運用されている。

ウクライナ国会議員のキラ・ルディク氏はBBCに対し、「我々の防空システムを強化し、我々の春の反攻で自軍を助けるために(戦闘機が)必要だ」と語った。

「ウクライナに戦闘機を提供することは、言葉で表せられないようなことでも、超現実的なことでもない。(今回の決定は、戦闘機の供与が)実現可能なことであり、実現するために必要なのは政治的意志だけだということを、皆に示す良い例でもある」

ウクライナのユリイ・サク国防相顧問は、ポーランドの戦闘機は「我が国の空軍で非常に効率的に」使用されるだろうと、BBCに述べた。

サク氏は、過去24時間の間に、ウクライナ空軍が既存の体制でロシア兵と装備に対して16回の空爆を行ったとしつつ、ウクライナはF-16のような「第4世代」の戦闘機を求めていると強調した。

「(近代的な戦闘機は)より普遍的なプラットフォームであり、より高性能だ。当然、ウクライナ空軍はより効率的に動けるようになる」

ポーランドはウクライナの強力な同盟国であり、最大の軍備供給国の一つ。同国は現在、ソ連時代の古い軍用機を、新型のアメリカや韓国製のものに換えつつある。

(英語記事 Poland first Nato country to send jets to Ukraine

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64974273


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