
米ワシントンの連邦地方裁判所は24日、2021年1月の米連邦議会議事堂襲撃事件でナンシー・ペロシ下院議長(当時)の執務室に侵入し、公的手続きを妨害した罪など8件で有罪評決を受けていた被告に対し、禁錮4年半を言い渡した。
リチャード・「ビゴ」・バーネット被告(63)は、2020年の米大統領選の投票結果を覆そうと、議事堂を襲撃したドナルド・トランプ前大統領の支持集団の1人。当時、議事堂内では、投票結果を認定するため上下両院合同会議が開かれていた。
バーネット被告は、ペロシ下院議長(当時)の執務室に侵入した後、机の上に片足をのせて座り、カメラに向かってポーズをとった。この画像は広く拡散された。
執務室から持ち出した封筒を手にしている姿も、議事堂の外で写真に撮られていた。
当局は、バーネット被告は当時スタンガンで武装しており、ペロシ氏に危害を加える可能性があったとしている。
ぺロス氏はほかの議員とともに議場から逃げ出していた。
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被告はペロシ氏の机に、性差別的な中傷の言葉を書いた。警察に強制退去させられた際には、「ナンシー・ペロシのオフィスを奪った」と拡声器を使って群衆に豪語していた。
検察側は、被告がアーカンソー州の自宅から1600キロ離れたワシントンへ移動し、暴力行為の準備をしていたと主張。少なくとも7年の禁錮刑を求めていた。
同被告は1月、公的手続きを妨害した罪や、立ち入りが制限された建物や敷地に致命的な武器を所持して立ち入ってとどまった罪、政府資産を盗んだ罪など8件の罪状について有罪評決を受けていた。
バーネット被告の裁判は、議事堂襲撃事件に関連する裁判の中で最も注目されている事案の一つ。
襲撃事件をめぐっては、アメリカのほぼすべての州で、計1000人以上が情報漏洩に絡む容疑で逮捕されている。