2023年6月5日(月)

BBC News

2023年5月27日

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ジェイムズ・ウォーターハウス(ドニプロ)、アントワネット・ラドフォード(ロンドン)

ウクライナ当局は26日、同国東部ドニプロの診療所がロシアのミサイル攻撃を受けたと明らかにした。少なくとも2人が死亡し、30人以上が負傷したという。

現地ドニプロペトロウシク州のセルヒイ・リサク知事は、負傷者の中には3歳と6歳の男の子が含まれると話した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアによるこの攻撃は「残虐行為そのもの」だと非難。煙の上がる破壊された建物の周りで消防士たちが作業する動画をソーシャルメディアに投稿し、「ロシアのテロリストはまたしても、自分たちがいかにあらゆる人道的で正直なものに敵対する存在かを示した」と書いた。

ウクライナによる反転攻勢開始の予想が高まる中、ロシアは数週間前からウクライナへの砲撃の頻度を増している。

リサク知事によると、ドニプロペトロウシク州が25日夜から「ミサイルやドローンによる大規模な攻撃」を受けた。「とても大変な夜だった。音がすごくて、ドニプロは苦しんだ」のだという。

被害に遭った診療所は3階建ての大きい建物で、現場では消防士たちが消火ホースを近づけるため、周囲の木の枝を切り落として作業を進めた。

ウクライナ当局は、25日夜から26日にかけて、ロシアのミサイル17発とドローン31基を撃墜したとしている。

複数のドローンやミサイルがドニプロ市内や東部ハルキウ市内に着弾。ハルキウでは石油貯蔵所も被害に遭った。

ウクライナの首都キーウも攻撃され、現地当局によると迎撃されたドローンの破片がショッピングセンターの屋根に落下したほか、住宅と複数の車両が損傷した。

ロシア南部やベルゴロドへ攻撃

他方、ロシアでは26日未明、南部クラスノダールで集合住宅やオフィスビルが爆発で損傷した。

現地のヴェニアミン・コンドラティエフ知事によると、原因はウクライナのドローン2基。「複数の建物に多少の損傷があるが、重要インフラは被害を受けていない。何より、死傷者がなかった」と話した。

ロシアのベルゴロド州も25日夜から26日朝にかけて攻撃された。現地のヴャチェスラフ・グラドコフ知事によると、コジンカ村が130回以上砲撃され、女性1人が負傷した。

同州では22日から、ウクライナから侵入した武装集団とロシア軍が交戦するという前例のない事態が続いた。グラドコフ知事は、この戦闘のあったグライヴォロンが、25日夜からの砲撃でも特に激しく攻撃されたと話した。

(英語記事 Ukraine war: Russia destroys hospital in latest missile attack

提供元:https://www.bbc.com/japanese/65730807


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