
イランで2022年9月16日、頭髪をスカーフで適切に覆っていなかったとしてクルド系のマサ・アミニさん(22)が道徳警察に逮捕され、その後死亡した事件から1年がたった。この事件は、イランでかつてない規模の抗議行動を巻き起こした。
アミニさんの死から1年を迎えた16日、世界中で大勢が街頭に出て抗議デモを行った。
トルコ最大都市イスタンブールではこの日、抗議集会が開かれた。中には、スカーフをかぶった女性の姿もあった。
英ロンドンのトラガルファー広場では、イラン国旗を手に多数の人が抗議した。
イランでは、アミニさんの父親アムジャドさんがイラン革命防衛隊(IRGC)に拘束されたという。娘の命日の追悼をやめるよう警告されたのだと、クルド人支援団体「Hengaw」や、ノルウェー拠点の人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)などが報告している。アムジャドさんはその後、釈放されたという。
イラン国営通信(IRNA)はこれを否定。後に、治安部隊はむしろ、アムジャドさん殺害計画を阻止したのだと伝えた。
非政府組織(NGO)クルディスタン人権ネットワークによると、アミニさんの死に端を発した抗議行動に参加して死亡した人の遺族も、逮捕されたり脅迫されたりしているという。
ドイツの首都ベルリンで開かれた集会では、抗議行動の最中に被害を受けた人の顔写真を掲げる人の姿もあった。
インド・ニューデリーでは、デリー大学の学生や活動家が集会を主催。会場にはアミニさんの写真の周りにキャンドルが灯された。
オーストラリア各地でも抗議デモが行われた。メルボルンでは、参加者がプラカードや横断幕を掲げるなどした。
ブリスベンの抗議者たちは、大きなイラン国旗を広げながら街中を歩いた。
イタリア・ミラノにあるマリーノ宮殿のファサードには、アミニさんの肖像画が掲示されている。
ベルギー・ブリュッセルでは、イランの野党支持者たちが集まった。プラカードやイラン国旗を掲げ、アミニさんの死から1年の節目となる抗議デモを行った。
ソーシャルメディアに投稿された解像度の荒い映像には、イラン・テヘランのシャリアティ通りで行われた抗議行動の最中に、抗議者2人が高所に登っているように見える様子が映っている。
(英語記事 Protesters mark a year since Mahsa Amini's death )
提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66829445