
英スコットランドのハムザ・ユーサフ第一首相は29日、パレスチナ自治区ガザ地区にいる義父母と連絡が取れたと発表した。10月7日にガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエル南部を襲撃して以来、義父母は同地区から出られなくなっている。
ユーサフ氏の妻ナディアさんの両親、エリザベス・エル=ナクラさんとマジェドさんは、病気の親族を見舞うためにスコットランドのダンディーからガザ地区を訪れたところ、紛争に巻き込まれた。
ユーサフ氏は、27日朝から2日間にわたって2人と連絡が取れなくなっていたことから、安否を心配していたという。
ユーサフ氏はソーシャルメディアで、「今朝、ガザ地区にいる義父母と連絡が取れた。ありがたいことに生きていた」と報告。「しかし、2人の飲み水が足りなくなっている」と付け加えた。
その上で、「国連決議は実行に移されるべきだ。暴力を止め、大量の支援物資を送れることなく届ける必要がある」と、停戦と人道支援を強く訴えた。
イスラエルがガザ地区への砲撃を強化し、戦車や部隊による大規模な地上作戦を開始したのに伴い、同地区では1日以上、通信が途絶されていた。電話回線やインターネット接続はその後、ゆっくりと回復している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、これはハマスとの「長く困難な」戦争の「第2段階」だと述べている。
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ユーサフ第一首相は先に、イギリスの政治指導者全員に対し、ガザ地区での停戦を支持するよう求める書簡を出している。
同氏は、イスラエルには10月7日の襲撃を受けて自衛する権利があるとした一方で、ガザ地区で広がっている「信じがたいほどの人道災害」を止めなければならないと付け加えた。
ハマスによる襲撃ではイスラエルの1400人が殺害されたほか、約230人が人質として連れ去られた。一方、ハマスが運営するガザ地区の保健省は、イスラエルの報復攻撃が始まってから地区内で8000人以上が殺されたとしている。
イギリスでは28日、ロンドンをはじめとする大都市で、パレスチナを支持する大規模な集会が行われた。スコットランドでも、グラスゴーやエディンバラ、アバーディーン、ダンディーなどで親パレスチナのデモが開催された。