2023年11月29日(水)

BBC News

2023年11月5日

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ネパール西部で3日午後11時47分(日本時間4日午前3時2分)ごろ、強い地震があり、これまでに150人以上の死亡が確認された。

米地質調査所(USGS)によると、地震の規模はマグニチュード(M)5.7、震源の深さは約16.5キロと推定される。

震源は、首都カトマンズから北西に約500キロほど離れたジャージャルコートや周辺の山岳地域という。

ネパール政府によると、約375人が負傷した。ジャージャルコートの病院は、負傷者でいっぱいだという。政府は救助活動支援のため、治安部隊を現地に派遣した。

揺れは、デリーを含む隣国インドの各都市でも感じられた。

被災したギータクマリ・ビスタさんはBBCに、救助隊が長女を救出したものの、末娘はなくなってしまったと話した。

「3人とも最上階の同じ部屋にいた。何もかも、あっという間で、何が起きたのかわからなかった」という。自宅は揺れで崩壊し、家族はがれきの下に埋まってしまったと、ビスタさんは話した。

「周りで大勢が叫んでいた。警察がやってきたので、『私も生きてる』と叫んだ。警察はまず、長女を助けて下の階に下した。でも残念ながら、下の娘は助けられなかった。14歳だった」

最初の揺れから1時間のうちに余震が3回起きた。小規模の余震が続いているため、地元当局は住民に、少なくとも24時間は屋外にいるよう呼びかけた。

現地メディアの映像では、複数階のレンガ建ての家屋が崩れている様子が見える。ソーシャルメディアへの投稿では、崩れた建物から生存者を助け出そうと、暗がりの中で大勢ががれきの中で捜索を続けるのが映っている。

特に被害の大きいアタヴィスコット地区の行政幹部は、現地の寒さのため、自宅を失った人たちは今後「さらに苦しむ」ことになると警告した。同地区の人口は約3万5000人で、数百棟の家屋が全壊したという。

国際連合児童基金(ユニセフ)ネパール事務所は、子供や家族の被害状況など、被害の規模を把握しようと務めていると述べた。

ネパールのプシュパ・カマル・ダハル首相は4日、地震による人命と財産の喪失についてソーシャルメディアで「深い悲しみ」を表明し、救助支援活動をただちに開始するよう関係当局に命じたと明らかにした。さらに同日、状況把握のために被災地域を訪れた

5日には諸外国からの支援提供の申し入れを受けるか、閣議を開き決める見通し。政府関係者によると、隣国インドと中国を含め多くの国が人道援助の提供を申し入れているという。

ネパールの位置するヒマラヤ山脈沿いは、地震活動が活発な地帯。10月は西部バジャング地域でM6.3の地震が発生し、複数の負傷者が出た。

2015年には4月にM7.8、5月にはM7.3と大規模な地震が相次ぎ、計約9000人が死亡し、2万2300人以上が負傷した。

(英語記事 Nepal earthquake: More than 150 killed in remote western Nepal

提供元:https://www.bbc.com/japanese/67325108


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