2023年12月1日(金)

BBC News

2023年11月8日

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イスラム組織ハマスの壊滅を掲げるイスラエルは7日、パレスチナ自治区ガザ地区の「ガザ市中心部で」作戦を展開していると明らかにした。ハマスはトンネルなどの施設を地下に張り巡らせていることで知られる。市街戦では地下施設の攻防も焦点になるとみられる。

元イスラエル国防軍(IDF)司令官で国家安全保障顧問を務めたヤーコブ・アミドロール氏は以前、ハマスとの戦闘はタフなものになるだろうと認めていた。

その理由として、ハマス戦闘員が侵入地点や狭い道路沿いに、仕掛け爆弾や即席の爆発装置を設置するであろうことを指摘していた。

ハマスが文字どおり地下に潜って戦うことも、戦闘を困難なものにしている。

ガザ地区の地下には、総延長約480キロメートルに及ぶトンネル網が存在するとされる。所々に部屋があり、最も深いものだと地下80メートルになるという。ハマスが人質に取っているイスラエル人も多数、これら地下施設で拘束されているとみられている。

イスラエルには、「ヤハロム」と呼ばれる技術部隊や、軍用犬を用いる「オケッツ」部隊など、トンネル戦の専門チームがある。

イスラエルの軍事専門家で新聞社の元編集長ヤーコブ・カッツ氏は、イスラエル軍はトンネルへの進入を、必要がない限り避けるだろうと指摘する。ハマスの方がトンネル内を熟知しているからだという。イスラエル軍はその代わり、トンネルに爆薬を流し込んで破壊するだろうと、カッツ氏はみている。

イスラエルはハマスの兵力を3万人程度とみている。イスラエル軍はこれまでの攻撃で何千人もの民間人を殺害しているが、ハマス戦闘員を何人殺したのかは不明だ。

ハマスは自動小銃やロケット弾、対戦車ミサイルを使って戦う。

カッツ氏によると、ハマスは小型のドローン(無人機)を独自に製造しているという。これには自爆型ドローンも含まれる。ごく限られた数の、肩に担いで発射できる短距離地対空ミサイルも保有している可能性がある。一方で、イスラエル軍のような装甲車や戦車、大砲は持っていないという。

地上作戦を進めているイスラエルにとっての難題は、人口密度の高い都市部で接近戦をどう展開するかだ。多くの住民が南部へ避難したものの、ガザ市を含むガザ北部にはいまだ数十万人が残っているとされている。

(英語記事 Urban battlefields and tunnels: What fighting in Gaza City might look like

提供元:https://www.bbc.com/japanese/67353162


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