2023年11月29日(水)

BBC News

2023年11月13日

»著者プロフィール

英ロンドンで11日にあった、パレスチナ自治区ガザ地区での停戦を求める大規模デモをめぐり、人種的憎悪を扇動した罪などで男性7人が12日、起訴された。

第1次世界大戦の休戦記念日に行われたパレスチナ支持のデモで、約30万人(警察発表)がロンドン中心部を行進した

イスラエルと、ガザ地区のイスラム組織ハマスの戦争が始まった10月7日以降で、イギリスにおける最大の集会となった。

ロンドン警視庁は、逮捕は145人に上り、その大多数はデモに暴力的に抗議した右翼の人々だったと発表。警官9人がけがを負ったとした。

また、反ユダヤのヘイト(憎悪)犯罪などに関して捜査を続けているとした。

さらに、デモ行進そのものは身体的暴力を伴うものではなかったが、他の重大な違反行為について捜査中だと付け加えた。

23~75歳の7人を起訴

起訴された7人は23~75歳で、武器所持、公序良俗違反、薬物所持、救急隊員への暴行などの罪に問われている。

うち2人はロンドン在住で、他の5人の出身地はノーフォーク、フリントシャー、ケント、マンチェスター、ウェスト・ロージアンと散らばっている。

リシ・スーナク首相は、「少数派によるおぞましい行動」が「平和的な意見表明を選んだ人たち」をおとしめたとし、犯罪に関わった者は法の裁きを受けなくてはならないと述べた。

また、「EDL(イングランド防衛同盟)の乱暴者らが警官を襲い、セノタフ(戦没者慰霊碑)に不法侵入した」のは、英軍の名誉を軽んじる行為だと付け加えた。

警視庁のマット・ツイスト警視監は11日、警官に暴力をふるったとされる人たちについて、「慰霊碑を守ると言って早く到着したが、何人かはすでに酔っており、攻撃的で、明らかに衝突を求めていた」と話した。

スエラ・ブラヴァマン内相は12日、警官数人が負傷したのは「とんでもないこと」だとすると共に、暴力に対する警官らの「プロの対応」に感謝すると述べた。

ブラヴァマン氏は、今回のデモ行進に先立ち警察の対応を批判したことで非難されており、解任を求める声も出ている。閣僚の一部にも同氏の発言と距離を置く動きが見られる。

ヘイト犯罪に絡み情報提供求める

警察はヘイト犯罪の疑いがある6人について、写真5枚を公開し、身元に関する情報などの提供を呼びかけた。

また、ウォータールー駅とヴィクトリア駅で撮影された、「反ユダヤ主義的な言葉や脅迫行為を含む容認できない虐待行為」が映っているいくつかの映像についても情報提供を求めている

ソーシャルメディアで共有された映像では、ヴィクトリア駅でパレスチナの旗を振る群衆が「恥を知れ」と叫ぶ中、マイケル・ゴーヴ地域活性化・住宅担当相が警官に誘導されて通り抜けた。

「パレスチナ連帯キャンペーン」が主催したパレスチナ支持の今回の行進は、ロンドンのハイド・パークを出発し、「パレスチナを解放しろ」、「今すぐ停戦せよ」などとかけ声を上げた。参加者の列は一時、約4キロメートル続いた。

国王が主導した、戦没者慰霊碑での追悼の日曜礼拝は、何事もなく終了した。

(英語記事 Seven charged as police hunt others after protests

提供元:https://www.bbc.com/japanese/67400550


新着記事

»もっと見る