イスラエル国防軍（IDF）が作戦を進めているパレスチナ自治区ガザ地区のアル・シファ病院に、BBC記者が同軍に同行して入った。同軍は、病院内でイスラム組織ハマスの武器や装備を発見したとしている。
ルーシー・ウィリアムソン記者らBBC取材班は、アメリカの放送局のチームと共に15日に、IDFの案内でアル・シファ病院に入った。病院内をメディアが取材したのはこれが初めて。
病院の敷地を囲んでいた壁の残骸を越え、中へと入った。IDFは14日に、装甲ブルドーザーを使ってここを突破していたという。
IDFが病院を制圧した翌日にメディアを入れたのは、この場所にIDFがいる理由を世界に示したいという、イスラエル側の意欲を物語るものだと、ウィリアムソン記者は伝えた。
IDFのヨナタン・コンリクス報道官はMRIセンターで、カラシニコフ銃や弾薬、防弾チョッキなどが見つかったという三つの隠し場所に記者を案内した。
病院からの出入り口を記したとみられる地図も示した。
コンリクス報道官は、ハマスが病院を軍事目的に利用していると述べた。
イスラエル側から連れ去られた人々の最近の画像や動画が保存されたノートパソコンも複数見つかったと説明。BBCはその中身を確認できていない。
同報道官は、ハマスがアル・シファ病院に「数日前まで」いたことを示すものだと主張。「結局のところ、これは氷山の一角にすぎない」と述べた。
「ハマスがここにいないのは、我々が来ることを分かっていたからだ。（見つかった武器などは）おそらく置き去りにせざるを得なかったものだろう。これよりもっと所持していると我々はみている」
ウィリアムソン記者によると、取材班のガザ地区での行動は厳しく制限され、滞在時間も非常に限られていた。医師や患者と話すことはできなかったという。
IDFは24時間ほどで病院を制圧した結果、ハマス戦闘員と人質の両方に関する情報を得るのに役立つ武器や機器を発見したとしている。しかし、IDFはいまのところハマス戦闘員も人質も確保できていないと、同記者は指摘した。
