2024年2月26日(月)

BBC News

2024年1月27日

国連の国際司法裁判所(ICJ)は26日、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ地区でのジェノサイド(集団虐殺)を防ぐためにあらゆる対策を講じるよう、暫定的に命じた。ただし、戦闘の停止は命じなかった。

この裁判は、イスラエルがガザ地区でジェノサイドを行っているとして、南アフリカが起こしたもの。南アフリカ政府は、判決が決まるまでの間、イスラエルに軍事行動を即時停止させるよう、ICJに求めていた。

一方のイスラエルは、南アフリカの主張には「全く根拠がない」と、訴えを否定している。

ICJはこの日、2週間前に始まった裁判の一環として、初めて暫定措置を言い渡した。ジェノサイドを行ったかという疑惑の根幹については、判断を下すまで数年かかる可能性もある。

軍事活動の停止命令は出なかったものの、南アの訴訟を支持する層には、今回の暫定措置は勝利ととらえられている。

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ICJは今回、この問題について自分たちに裁判管轄権があると判断。1948年のジェノサイド条約にもとづき、訴えはもっともなものだとしたほか、ガザ地区のパレスチナ人が回復不能な損害を被る現実的なリスクがあるとした。

ICJはイスラエルに対し、ガザ地区のパレスチナ人大量虐殺の可能性のある行為について、複数の措置をとるよう命じた。これには戦場での措置だけでなく、ジェノサイドを公然と扇動する行為への対策も含まれる。また、ガザ住民への援助を可能にする「即時かつ効果的な措置」をとるよう命じた。

命令はイスラエルに対し、1カ月以内にその順守状況をICJに報告するよう義務付けている。

ICJの命令は法的拘束力を持つが、それを執行する力はない。イスラエルが命令順守を約束するとは、期待されていない。

南アフリカは声明で、「国際的な法の支配の実施という点で、(ICJの)判断は重要なものだ」と指摘。暫定措置は「パレスチナ人に対する正義を求める上で、大きなマイルストーン」となったと述べた。

パレスチナ自治区の外相は、暫定措置が「法を超える国家はない」と示したと、ICJの判断を歓迎するとともに、「イスラエルと、常にイスラエルを免責してきた関係者への警鐘」になるべきだと語った。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ICJの決定に直接言及していないが、「国際法を尊重する責務を、イスラエルは揺ぎなく堅持する。わが国を守るという神聖な責務も、同じように揺るぎなく堅持する」と述べた。

一方で、イスラエルがジェノサイドを行っているという南アフリカの言い分は「間違っているだけでなく、とんでもないもので、世界中のまともな人はこれを否定するべきだ」と話した。

イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相はICJの判断を一蹴。イスラエルは「テロリストとガザの民間人を区別するための道徳について、説教される必要はない」とした。

ロイター通信によると、ガザ地区のイスラム組織ハマスの報道官は、今回の結果は「重要」なもので、これによって「イスラエルの孤立化」が進むと述べた。

ハマスは昨年10月7日にイスラエルを襲撃し、民間人を中心に約1300人を殺害、約250人を人質としてガザ地区に連れ去った。イスラエル軍はこれを受けてガザ地区への軍事作戦を開始。ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、これまでにパレスチナ人2万6000人以上が殺され、そのほとんどが女性や子供だという。

(英語記事 UN's top court says Israel must prevent genocide

提供元:https://www.bbc.com/japanese/68115922


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