2024年2月26日(月)

BBC News

2024年1月29日

フランス・パリのルーヴル美術館で28日、環境活動家らが名画「モナリザ」にスープを投げつけ、「健康で持続可能な食べ物」の権利を訴えた。美術館によると、絵は強化ガラスに守られており、無事だった。「モナリザ」はレオナルド・ダヴィンチが16世紀に描いたルネッサンス美術の名作で、世界でもっとも有名な絵のひとつ。

現場の動画では、女性2人がオレンジ色の液体を「モナリザ」に投げつけた後、「Riposte Alimentaire(食べ物の反撃)」とTシャツに書かれたスローガンを見せつけるようにポーズをとった。

その上で女性2人は「モナリザ」の前に立ち、フランス語で「どちらが大事か? 芸術か、それとも健康で持続可能な食べ物をとる権利か」と叫んだ。

女性たちはさらに、「あなたたちの農業制度は病んでいる。農家は、農作業をしながら死んでいる」とも主張した。

動画ではその後すぐに美術館の警備係たちが2人の前に、黒いついたてを立てて囲い、他の来館者に部屋から出るよう指示している。

ルーヴル美術館によると、環境活動家とされる人たちが28日午前10時ごろ、カボチャのスープを「モナリザ」に投げかけたが、絵に損傷はなかったという。

「モナリザ」が展示されている「国家の間」から、来館者にいったん出てもらった後、清掃作業を済ませて、午前11時半には観覧を再開したという。

「Riposte Alimentaire」と名乗るグループが、この抗議行動は自分たちによるものだとソーシャルメディアで主張し、「食べ物を、社会保障制度全般に取り込む」ことが目的だと述べた。

さらに、現在の食料供給モデルは「最も弱い立場の者に負の烙印(らくいん)を押し、食料に対する我々の根本的な権利を尊重しない」とも主張している。

美術館は「苦情を申し立てる」としている。

フランスのラシダ・ダティ文化相は、「モナリザ」を標的にするなど「どのような大義」があるとしてもまったく正当化されないと批判。「私たちの文化遺産と同様、(「モナリザ」は)未来の世代のものだ」と書いた。

パリではこのところ、農家による抗議行動が続いている。26日には、燃料代の急騰などに抗議し、規制緩和を求める多くの農家がパリに通じる幹線道路を封鎖した。

モナリザは1956年に南仏で展示中に酸をかけられ、損傷している。ルーヴルではそれ以降、ガラスで防護。2019年には、従来より透明度の高い防弾ガラスで保護すると美術館は発表した。

2022年5月にはルーヴル美術館で、車椅子に乗り高齢女性を装った男性が、「モナリザ」にケーキを投げつけた。絵に損傷はなかったが、ガラスにはべっとりと白いクリームがついた。男は警備員に連れ出される際、「地球のことを考えろ」と主張していた。

「モナリザ」は1911年にはルーヴルから盗まれ、世界的な騒ぎとなった。美術館の職員だったヴィンチェンツォ・ペルッジアが夜の間に名画を戸棚に隠して、持ち出したことが後に明らかになった。

ペルッジアは「モナリザ」を自宅に2年間隠していたが、イタリア・フィレンツェの画商に売ろうとした際に発覚し、逮捕された。当時のイタリアでは、フィレンツェにゆかりのある名画を「帰国」させたとたたえる意見もあり、ペルッジアは収監7カ月で釈放された。

(英語記事 Mona Lisa: Protesters throw soup at da Vinci painting

提供元:https://www.bbc.com/japanese/68125475


新着記事

»もっと見る