2024年2月26日(月)

BBC News

2024年1月29日

ウクライナ保安庁(SBU)は27日、国防関係者による15億フリヴニャ(約60億円)規模の武器架空発注を突き止めたと発表した。大規模な汚職にかかわった国防省幹部5人と武器製造業者の関係者を捜査しているという。欧州連合(EU)加盟を目指すウクライナにとって、政府関係者や議員の汚職は大きい障害となっている。

SBUによると、ウクライナ国防省の関係者は2022年8月に迫撃砲の砲弾10万発を発注し、代金を前払いしたものの、兵器は納入されなかった。代金の一部は国外へ送金されたという。

捜査の結果、国防省や東部リヴィウの武器業者の関係者が「砲弾購入と称して15億フリヴニャ近くを盗んだ」ことが発覚したと、SBUは説明している。

「調べによると、国防省の元職と現職の幹部や、関連企業の幹部が、横領にかかわっている」とSBUは明らかにした。

SBUによると、2022年2月24日に始まったロシアによる全面侵攻から6カ月たった時点での砲弾発注だったにもかかわらず、「砲弾は1発たりとも」納入されなかったという。

当局は容疑者の1人をウクライナを出国しようとしたところで逮捕し、現在も勾留しているという。

ウクライナの検事総長は、横領された資金はすでに差し押さえてあり、国防予算に戻されるとしている。

ウクライナでは、政府や議会内の汚職が長年にわたる根深い問題として続いている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は汚職撲滅を主要公約に掲げて、2019年4月に当選した

ウクライナは現在、アメリカからの追加軍事支援を得る見通しがたたない状態にある。アメリカではウクライナ支援を続けようとするバイデン政権の取り組みを、野党・共和党が議会で阻止している

ゼレンスキー大統領は昨年8月、全国の徴兵担当を解任した。徴兵逃れを希望するウクライナ人男性からわいろを受け取り便宜を図る汚職が、横行していたためとされる。

ゼレンスキー政権は汚職撲滅の取り組みを続けており、昨年1月には汚職の疑いを指摘された高官11人が辞職。2月には富豪や元内相を家宅捜索し、5月には国家反汚職局と反汚職専門検察が汚職の疑いで最高裁長官を拘束した。EU加盟を求めているウクライナにとって、汚職対策はEUから課せられている重要な要件のひとつ。他の西側機関も、ウクライナに汚職対策を要求している。

各国の腐敗・汚職に取り組む非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナルがまとめた2022年の汚職国家ランキングでは、180カ国中116位だった(順位が低いほど、汚職度が高い)。前年は180カ国中122位だったため、近年の対策が評価されている様子がうかがえる。10年間でランキングの位置が28位も上がるなど、同組織のリストで一貫して評価が改善し続けている10カ国のひとつでもある(汚職度が最も低いと評価されている、1位の国はデンマーク。日本は18位)。

(英語記事 Ukraine says it has uncovered major arms corruption

提供元:https://www.bbc.com/japanese/68125683


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