2024年2月26日(月)

BBC News

2024年1月30日

東京で29日、外国生まれの日本在住者3人が、日本の警察から人種差別的な扱いを受けたとして、国などに賠償を求める裁判を起こした。

3人は、外見を理由に警察官から繰り返し職務質問され、苦痛を受けたとしている。

人種や肌の色、国籍などを理由に職務質問や取り調べの相手を選ぶ行為は、「レイシャル・プロファイリング」と呼ばれる。

訴訟では、日本の警察によるこうしたレイシャル・プロファイリングは人種差別行為で、憲法違反だとして、国と東京都、愛知県に対し、原告1人につき300万円の損害賠償などを求めている。

国連はレイシャル・プロファイリングを、「捜査機関が、客観的証拠や個別の行動ではなく、人種や肌の色、家系、国籍または民族的出自に基づく一般論に依拠して、人を勾留や詳細な捜索、身元調査、捜査の対象としたり、個人が犯罪行為に関与していると判断したりする慣行」と定義している。これをもって国連は、「レイシャル・プロファイリングは差別的な判断につながる」とも指摘している。

弁護団の谷口太規弁護士によると、レイシャル・プロファイリングをめぐる訴訟は日本では初めてだという。

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日本国籍でパキスタン人の両親を持つ星恵土(セイエド)・ゼインさんは記者会見で、「『外国人もしくは外国人の見た目をしている人は犯罪しちゃうんじゃないの?』というイメージが日本にはあるのかなと思っている」と指摘した。

26歳のゼインさんは日本に20年在住し、日本の学校に通い、日本語も堪能だ。しかし、警官に呼び止められ、職務質問をされることが非常に多いという。

「職務質問のあり方を考え直す時なのではないか」と、ゼインさんは記者会見で語った。

南太平洋諸島にルーツを持ち、日本の永住権を持つマシューさんは、2002年に来日してから少なくとも70回、職務質問を受けたと明らかにした。

「引きこもりという言葉は自分は全然知らなかったのですが、気がつけば自分も同じようになった。仕事から帰ったら人から離れたくなり、寝室にこもることが多くなった」と、マシューさんは話した。報道によると、マシューさんはハラスメントを避けるため、名字を公開していない。

アフリカ系アメリカ人で日本に永住権を持つモーリスさんは、「普通の日本人」に詰問され、在留期間が過ぎているのではないかと聞かれたこともあると話した。

「私たちが(この訴訟に)負けたとしても(中略)このようなことは日常的に起きていると理解してほしい。将来の世代のために、防止策を取らなければならない」

日本では今、「日本人とは何か」という議論が再燃している。先には、「第56回ミス日本コンテスト」で、ウクライナ人の両親を持つ日本国籍の椎野カロリーナさん(26)がグランプリに選ばれた。「いまの時代を象徴している」と評価する声がある一方で、「ミス日本」のあるべき姿ではないとの声も出ている。

2021年12月には、在日アメリカ大使館のX(旧Twitter)アカウントが、日本の警察が外国人に「レイシャル・プロファイリングをしている疑い」があると警告した。

アメリカ大使館は当時、「アメリカ大使館は、外国人が日本の警察に呼び止められ、身体検査を受ける、レイシャル・プロファイリングが疑われる事案の報告を受けている。数人が拘束され、質問され、捜索された。アメリカ市民は身分証明書を携行し、拘束された場合は領事館への連絡を要請するように」と投稿していた。

(英語記事 Foreign residents sue Japan over racial profiling

提供元:https://www.bbc.com/japanese/68137481


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