2024年2月29日(木)

BBC News

2024年1月31日

パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区ジェニンの病院で30日、イスラエル軍がパレスチナ武装グループのメンバー3人を殺害した。

イブン・シーナ病院の関係者によると、私服のイスラエル特殊部隊員10人ほどが同病院の3階で、消音器をつけた武器で殺害したという。

ヨルダン川西岸のパレスチナ自治政府の通信社WAFAは、病院内でパレスチナ人3人が「暗殺された」と伝えた。

院内の監視カメラの映像には、医療関係者や一般市民を装った特殊部隊員らが、ライフルを構えながら廊下を進む姿が映っていた。

イスラエル軍は、武装グループのメンバーらが病院内に潜伏していたとし、うち1人は「10月7日の大虐殺に触発された襲撃を計画していた」と主張した。

一方、パレスチナ自治政府の保健省は、イスラエルが「新たな虐殺を病院内で」実行したと非難した。

ガザ地区でイスラエルと戦争状態にあるイスラム組織ハマスは、イスラエル軍が「戦士3人を処刑した」とコメント。うち1人はハマスのメンバーだとした。

ガザ地区を拠点とする別の武装組織イスラム聖戦(PIJ)は、殺害された人のうち2人は同組織のメンバーであり兄弟だと発表。そのうち1人は院内で治療を受けていたと付け加えた。

監視カメラ映像の中身

院内の監視カメラの映像では、イスラエル特殊部隊の男女数人が、廊下を急ぎ、銃器を左右に向けている。1人は、両手を頭の後ろで組んでひざまずいている身元不明の男性から衣服をはぎ取り、それを男性の頭部にかぶせている。

隊員2人は変装の小道具として、折りたたみ式の車椅子やベビーカーを持ち運んでいる。

武装グループのメンバーらが撃たれたとされる部屋の画像には、血が飛び散った床や壁が写っている。ベッドの上には銃弾で穴の空いた血まみれの青い枕が見える。

ナジ・ナザル院長はイスラエル特殊部隊について、「病室で寝ていた3人を処刑した」、「治療中の病室で、頭に直接銃弾を撃ち込み、冷酷に処刑した」とロイター通信に話した。

また、PIJのメンバーだとされる男性については、脊椎損傷で体がまひし、昨年10月25日から治療を受けていたとした。

赤十字国際委員会(ICRC)は、「国際人道法の下では、病院と患者は常に尊重され、保護されるべきだ」との声明を発表。「関係当局との部外秘の対話の一環として」この問題を提起すると付け加えた。

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ヨルダン川西岸でも緊張高まる

ハマスがイスラエル南部を襲撃した昨年10月7日以降、ヨルダン川西岸でも緊張が高まっている。

イスラエル軍は連日のようにパレスチナ人を急襲して拘束したり、パレスチナ人と衝突したりしている。武装組織の拠点のジェニンではここ数カ月、そうした襲撃が集中的に行われている。

国連によると、ヨルダン川西岸では10月7日以降、イスラエル軍がパレスチナの戦闘員、民間人、攻撃者ら少なくとも357人を殺害した。イスラエル人入植者も少なくとも8人のパレスチナ人を殺害しているという。

同期間にヨルダン川西岸のパレスチナ人は、ヨルダン川西岸とイスラエルで少なくとも10人のイスラエル人を殺害したという。

(英語記事 Israel W Bank hospital raid kills three Palestinian fighters

提供元:https://www.bbc.com/japanese/68150640


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