2024年2月29日(木)

BBC News

2024年2月6日

ショーン・コクラン王室担当編集委員

英王室バッキンガム宮殿は5日、チャールズ国王(75)が、がんの一種と診断されたと発表した。

がんの種類は明らかにされていない。前立腺肥大症の治療中に発見されたが、前立腺がんではないという。

王室によると、国王は5日、「定期的な治療」を開始した。治療中は、表立っての公務を延期する。

国王は「完全に治療に前向きで、できるだけ早く完全に公務に復帰することを心待ちにしている」という。

がんのステージ(病期)や予後について、詳しいことは明らかにされていない。

国王は5日朝、東部ノーフォーク州サンドリンガムの王邸からロンドンに戻り、外来での治療を開始したという。

<関連記事>

【全文訳】 チャールズ英国王のがん診断について英王室の発表文

国王は2人の息子、ウェールズ公ウィリアム皇太子とサセックス公ハリー王子に、診断結果を個人的に伝えた。皇太子は国王と定期的に連絡を取り合っているという。

アメリカで暮らすハリー王子も国王と話をした。王子は近日中にイギリスに行き、父王に会う予定だとされる。

国王は公的な行事は一時休止する。しかし、事務的な公務や私的な会合など、憲法上の国家元首としての役割は維持する。

リシ・スーナク首相との週1回の面会は、医師が制限しない限り継続され、両者は直接会うとみられる。

国家元首が公務を遂行できない場合、代理として「国務参事官」を任命できると憲法で定められている。

現時点では、カミラ王妃、ウィリアム皇太子、アン王女、エドワード王子が候補。ハリー王子とヨーク公アンドリュー王子は公務を担っておらず、任命されることはない。

ウィリアム皇太子は、妻のキャサリン妃が先月受けた腹部の手術から回復するのを支えるため、一時的に公務から離れていた。

しかし、今週後半に公務に復帰することが5日に発表された。

がん治療の公表を選択

国王は4日、サンドリンガムで教会の礼拝に出席。群衆に手を振り、10分ほど歩いた。

国王は1週間ほど前に、ロンドンの私立病院で前立腺の治療を受けた。

その際に王室は「良性」の病状に対するものだと説明した。

王室は5日、「この治療において別の懸念が指摘され、その後、がんの一種と診断された」と発表した。

国王は皇太子時代、多くのがん関連の慈善団体のパトロン(後援者)だったことから、自身のがん治療の公表を決めたという。

王室は、「国王陛下はこうした立場からたびたび、がん患者や近親者たち、そして患者をケアする素晴らしい医療専門家たちへの支援を公に表明してきた」とした。

国王は、多くの男性に前立腺の検査を受けるよう呼びかける目的からも、自身の前立腺治療を公表したという。

前立腺の検査について意識を高めてきたことを国王は喜んでいるとされる。国民保健サービス(NHS)のウェブサイトによると、前立腺の病気に関する対応が急増しているという。

英王立医学協会は、「がんがいかに無差別か」をはっきりと示したとして、国王に謝意を表明。がん検診の対象となる国民に受診を呼びかけた。

ジェイ・ヴァーマ会長は、「どうか恥ずかしがらないで。私たちが得る情報が多いほど、がんの可能性を除外したり、最も適切な治療法に導いたりできる可能性が高まる」と話した。

イギリスでは2人に1人ががんに

イギリスでは、2人に1人が一生の間に何らかのがんを患うと言われている。

NHSによると、がんは200種類以上ある。イギリスでは乳がん、肺がん、前立腺がん、腸がんが特に多い。

多くのがんは、年齢とともに罹患(りかん)率が高まる。イギリスの統計によると、年ごとの平均では、新たながん患者の3分の1以上(36%)が75歳以上となっている。

スーナク首相は、国王の「完全かつ迅速な回復」を祈念。野党・労働党のキア・スターマー党首とリンジー・ホイル下院議長も同様に、速やかな回復を願うと表明した。

アメリカのジョー・バイデン大統領は5日、記者団に対して、「診断を聞いたばかりだ」と述べ、「心配している」と発言。国王と近く直接話すつもりだとした。

チャールズ国王は、2022年9月の母エリザベス女王の死去に伴い即位。翌年5月に戴冠した

国王夫妻は今年5月にカナダを、10月には英連邦首脳会議のためにオーストラリア、ニュージーランド、サモアを訪問する予定となっている。

その訪問予定がどうなるのか、王室は明らかにしていない。国王の公務復帰の時期も示されていない。

(英語記事 King Charles III diagnosed with cancer, Buckingham Palace says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c3gkz1ygpg9o


新着記事

»もっと見る