2024年2月26日(月)

BBC News

2024年2月12日

パレスチナ赤新月社(PRCS)は11日、パレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファが「激しい」攻撃にさらされ、多数の死者が出ていると明らかにした。攻撃を目撃した人たちは、ラファ市内の北部と中心部に、数十回の空爆が相次いだと話している。他方、イスラエル国防軍(IDF)は12日、ラファ市内で強襲作戦を実施し、人質2人を救出したと明らかにした。

IDFは声明で、夜にかけて軍と情報機関シンベト、ならびにイスラエル警察の合同作戦を実施し、「キブツ・ニル・イツハクから拉致されたイスラエル人2人を救出した」と発表した。救出した60歳と70歳の男性2人はどちらも、健康状態は良好で、検査のために病院に搬送されたという。

これに先立ちIDFは同日、ガザ地区南部を空爆したと発表していたが、詳細は明らかにしなかった。

この夜の攻撃による被害について、情報は錯そうしている。AFP通信は、イスラム組織ハマスが運営するガザの保健省の話として、子供を含むパレスチナ人52人が死亡したと伝えた。ロイター通信は、ガザ保健省の話として、37人が死亡したと伝えた。

イスラエル軍によるガザ攻撃を受けてこれまでに、地区内各地から約150万人が地区最南部のラファに避難している。イスラエルはそのラファで活動するイスラム組織ハマスの「大隊」を攻撃する方針を、明らかにしている。

国連は、ガザ地区でパレスチナ人が避難できる場所はもうどこにも残されていないと警告している。

ラファはガザ地区とエジプトの国境沿いに位置し、人道援助物資がガザに入る唯一の検問所がある。

<関連記事>

イスラエル・ガザ戦争の関連記事一覧

他方、ガザ市内では10日、1月29日に親族と車で避難しようとして電話で救助を求めていた6歳の女の子、ヒンド・ラジャブさんが、死亡していたことが確認された。

当時の通話内容から、親族の遺体に囲まれている様子がうかがえたヒンドさんの救助に向かった救急隊員2人も、死亡が確認された。PRCSが明らかにした。

PRCSによると、ヒンドさんが遺体となって発見された乗用車では、計6人の遺体が見つかり、その近くには焼け焦げた救急車が見つかったという。

PRCSは、イスラエル軍が救急車をわざと攻撃したと非難する声明を出した。

住民はどこへ行けば

アメリカのジョー・バイデン大統領は11日、ガザの民間人の安全を確保する手段を講じることなしに、ラファ攻撃作戦を実施するべきではないと、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に伝えたと明らかにした。

ホワイトハウスによると、ネタニヤフ氏との電話会談でバイデン氏は、ラファ市内の100万人以上の民間人を保護するための「信用できて実施可能な計画」がイスラエルの側には必要だと伝えたという。

これに対してネタニヤフ氏は、そのための計画は策定中で、攻撃は実施すると力説したという。

この電話会談に先立ちバイデン大統領は8日、イスラエルがガザで展開している軍事作戦は「やりすぎ」だと非難していた。

アメリカのほかにも、イスラエルを支援してきた複数の協力国や国際機関、地域勢力が、イスラエル軍によるラファ侵攻に強い懸念を示している。

イギリスのデイヴィッド・キャメロン外相は、「ガザの住民の半数以上がラファ周辺に避難している」と指摘。サウジアラビア政府は、イスラエルがラファに侵攻するならば「きわめて深刻な影響が余波として起きる」と警告した。

ガザを訪れたばかりの国連人道調整官ジェイミー・マクゴールドリック氏は、もしイスラエル軍がラファ侵攻を開始したなら、ラファの人々は「行くところがどこにもない」とBBCに話した。

「かつて安全だと発表されたエリアは、もはや安全ではない。この人たちが移動しなくてはならないとして、どこに行けばいいのか。ただでさえ恐ろしい現状が続いているのに、それがいっそう悪化する一方だと、私たちは本当に懸念している」と、人道調整官は強調した。

EUのジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表はソーシャルメディアで9日、「イスラエルがラファに軍事侵攻を行うという情報は、心配だ。ただでさえひどい人道状況と堪えがたい民間人の犠牲を、さらに悪化させる、壊滅的な影響をもたらす」と書いた。

ガザ地区を実効支配するハマスは、イスラエルがラファに侵攻すれば「何万人」もの死者が出ると指摘。そのような事態になれば、自分たちが人質にしているイスラエル人の解放交渉に悪影響が出るともしている。

人質解放と引き換えに停戦を実現しようとする交渉では、「この数週間で具体的な進展」が得られていると、ホワイトハウス幹部はロイター通信に話している。

「負けろと言うに等しい」=イスラエル首相

ネタニヤフ首相は11日放送の米ABCニュースによるインタビューで、「勝利は手が届くところにある」と強調し、イスラエル軍は「ラファに残るハマスのテロリスト大隊をとらえる」と述べた。

さらに、ラファにいる住民には「安全な避難路」をイスラエル軍が提供するとも述べた。

いったい住民がどこに行けるというのかと重ねて尋ねられると、首相は「ラファ北部に我々が(ハマスを)排除した」地区が「たくさん」あるとして、当局者が「詳細な計画を取りまとめ中」だと強調した。

「我々に何があってもラファに入るなと言う者たちは要するに、『戦争に負けろ、ハマスをそこに残せ』と言っているに等しい」と、首相は反論した。

昨年10月7日にハマスはイスラエル南部に奇襲を仕掛け、1200人以上を殺害し、約240人を人質にした。

ハマスが運営するガザの保健省によると、イスラエルの攻撃でガザでは11日までに2万8100人が殺害され、6万7500人以上が負傷した。

(英語記事 Israel-Gaza war: 'Violent' strikes reported in Gazan city of Rafah / Hind Rajab, 6, found dead in Gaza days after phone calls for help

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cyej7631gn4o


新着記事

»もっと見る