2024年5月22日(水)

BBC News

2024年5月3日

全米各地の大学キャンパスで、パレスチナ自治区ガザ地区の住民を支持する抗議行動が続いている事態を受けて、ジョー・バイデン大統領は2日、法の支配と秩序維持の重要性を呼びかけた。

バイデン大統領はホワイトハウスで演説し、「この国は礼節ある市民の社会だ。秩序が守られなくてはならない」と述べた。4月から各地の大学構内でガザ支援集会が始まって以来、バイデン氏が大学の状況に直接言及するのは初めて。

大統領演説に先立ち2日未明にはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で、209人が逮捕された。機動隊数百人が夜明け前にUCLAのキャンパスに入り、パレスチナ支持グループを排除し、バリケードを撤去した。

各地の警察はこの2週間のうちに、全国で2000人以上を大学での集会や抗議野営地で拘束している。

ロサンゼルスのUCLA構内で警察は爆音筒や閃光(せんこう)弾などを使い、デモ隊を警察車両に乗せたうえで、バリケードやテントを次々と撤去した。

UCLAは声明で、デモ隊が設置していた野営地を「違法であると同時に、大学の方針に違反する。キャンパスに安全でない状況を作り出し、本校の使命を実施する能力を妨げた」と批判。「学生たちが教室に向かうための通路をデモ隊は封鎖」して、授業を妨害したと大学は指摘。またデモ隊が、イスラエル支持派と衝突を繰り返したことで、「あまりに多くの学生が危険にさらされた」とした。

この数時間後にホワイトハウスで演説したバイデン大統領は、「この国は、人の発言を封じたり異議を押しつぶすような独裁国家ではない。だからといってこの国は、無法国家でもない」と強調した。

「抗議する権利はある。しかし、カオスを作り出す権利はない。国民には教育を受ける権利がある。学位をとる権利がある。襲われると恐れることなく、キャンパスを安全に歩く権利がある」とも述べた。

今年11月の大統領選でバイデン氏が再選されることに反対するアラブ系アメリカ人のグループ「未定全国運動」は、バイデン氏が反戦活動家を「中傷」したと反発した。

「バイデンが全国の若者の声を聞いていないのは、明らかだ。政策の方向を変えるよう求めて、(誰に投票するか)未定の50万人以上の有権者の声も聞いていない。もう手遅れになる前に、私たちの声が大統領に届くよう期待している」と、グループのリーダー、アッバス・アラウイエ氏は述べた。

BBCの集計によると、大学キャンパスを舞台に、ガザ地区のパレスチナ人を支持する抗議行動は、少なくとも45州の約140校に広がっている。アメリカのほかに、少なくとも6カ国で同様の抗議が行われている。

デモ隊はガザでの停戦を求めるほか、イスラエルや、ガザ戦争によって経済的利益を得る見通しの企業から、資金や投資を引き揚げるよう、大学に求めている。

これに対して多くの大学は警察に応援を要請しており、それに伴いキャンパスで衝突が起きている。イスラエル人やユダヤ系の学生へのいやがらせが増えているとの指摘もある。

UCLAのウェストウッド・キャンパスでは4月30日夜、覆面をした親イスラエル派のグループがバットや催涙弾などを使って野営地を襲撃したことで、対立が激化した。

これについて、警察の対応が遅れたと学生や一部の政治家が批判。警察は5月1日に現場の混乱を収拾し、厳戒態勢を開始した。大学当局はこれに先立ちすでに「違法な集会」が続いていると宣言していたため、警察は2日未明にデモ隊の排除とバリケード撤去に動いた。

ロサンゼルスのキャレン・バス市長は、警察の作戦行動の間、自分は指令ポストに常駐していたと説明。「UCLAでもこの街のどこでも、いやがらせや破壊行為や暴力は、いっさい容認されない」と声明を出した。

一方、抗議行動に参加していたUCLAの学生ケンザさん(取材に対して姓は明らかにしなかった)はBBCに対して、野営地は「まったく平和だった」と話した。

「私たちが市民社会を脅かす存在だなんて、まったくばかげている。実際には私たちはこの1週間というもの、ずっと嫌がらせを受け続けていたのに」

UCLAによると、キャンパスでの大学業務は2日と3日にかけて制限され、授業はすべてリモートで行われる。

ノースウェスタン大、ブラウン大、ミネソタ大、ヴァーモント大など一部の大学はこれまでに、大学の運用金引き揚げについてデモ隊と合意に達している。

他方、イェール大、ダートマス大、ストーニーブルック大、ポートランド州立大、ウィスコンシン大、テキサス大ダラス校で24時間のうちに、逮捕が相次いでいる。

(英語記事 Biden says 'order must prevail' after UCLA Gaza protest camp cleared

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c89z50d43v0o


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