2024年7月18日(木)

BBC News

2024年7月11日

ショーン・セドン、バーンド・デブスマン・ジュニア(NATO首脳会議会場)、BBCニュース

北大西洋条約機構(NATO)の加盟各国は10日、米ワシントンで開かれている首脳会議で、ウクライナの将来的なNATO加盟への「不可逆的な道筋」に対する支援と、同国へのさらなる援助を約束した。

NATO加盟の32カ国は、ウクライナの新規加盟の正式なスケジュールでは合意しなかったが、ウクライナの戦争努力に対する「揺るぎない」支持を表明した。

また、ウクライナ軍との統合を進めると発表。来年中にF-16戦闘機や防空支援など400億ユーロ(約7兆円)規模の軍事支援を実施するとした。

イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は「ウクライナ支援は慈善事業ではない。私たち自身の安全保障のためになることだ」と述べた。

今回の首脳会議では、進行中のウクライナ侵攻が最大の議題となった。全加盟国が合意した宣言では、ロシアを安全保障に対する「最も重大かつ直接的な脅威となり続けている」とした。

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、アメリカ製のF-16戦闘機がデンマークとオランダからウクライナに移送されていることを認めた。

ウクライナが先進的なF-16戦闘機の供与を受けるのは初めて。以前から要請していた。ブリンケン氏はこの日の首脳会議で、同戦闘機が「今年の夏に」使われることになるとの見通しを示した。

今回の会議では、NATOとウクライナの結びつきを深めることを目的に、ウクライナ軍への支援と訓練を調整する新たな部署の設置も合意された。

採択された共同声明は、これらの措置と個々の加盟国からの支援の約束が「ウクライナのNATO加盟への架け橋となる」とした。

また、ウクライナがここ数カ月で「民主的、経済的、安全保障上の必要な改革」に関して「具体的な進展」を遂げたと説明。だが、正式な加盟招待は「条件が満たされた」場合に限って示すとした。

そして、「ウクライナがこの重要な作業を続けるなか、ウクライナが欧州・大西洋地域と完全に統合する、その不可逆的な道筋を私たちは支援し続ける。それにはNATO加盟も含まれる」と付け加えた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は首脳会議に招待され、各国指導者らと会談した。イギリスのキア・スターマー首相とは、首相の就任以来、初めて顔を合わせた。

スターマー氏はゼレンスキー氏に、イギリスでは新政権が発足したが、ウクライナの戦争努力に対する「支援は変わらない」と伝えた。

ゼレンスキー氏は、アメリカの民主・共和両党の議員らとも会談した。米議会では今年初め、両党の対立などからウクライナへの大規模軍事支援が数カ月遅れた。そのため、党派を超えたウクライナ支持を強化することを狙った。

ウクライナでの戦争では、ロシアがここ数カ月、若干の前進を見せている。そのためNATO指導者らは今回の首脳会議で、加盟国がウクライナについて統一戦線を組んでいることを示そうとした。

だが、ウクライナの正式加盟までの期間は明確にされなかったため、ウクライナで落胆の声が上がるのは必至だ。

今年設立75周年を迎えたNATOの首脳会議は、米大統領選挙の数カ月前というタイミングで開催された。大統領選では、NATOに批判的なドナルド・トランプ前大統領がホワイトハウスに復帰する可能性がある。

NATOのストルテンベルグ事務総長は、米政治がNATOに影響を与えるのかというBBCの質問に、直接は答えなかった。

ストルテンベルグ氏は「NATOは国内政治の議論から距離を置いてきたために、歴史上最も成功した同盟となっている。今後もそうあり続けるよう、できることをし続けていくことが私には重要だ」と述べた。

バイデン米大統領は今回の首脳会議で、ウクライナへの支援を再確認するとともに、防衛費支出の割合が低い加盟国に支出拡大を求めた。

バイデン氏は、ロシアの防衛関連生産が、北朝鮮やイランからの支援を受けて「戦時体制」にあるとし、「NATOが後れをとることは許されない」と主張。

「私たちはNATOの領土の隅々まで守ることができるし、守っていく」と大統領は付け加えた。

(英語記事 Nato vows 'irreversible path' to Ukraine membership

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c2v0nx52ll6o


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