2024年7月18日(木)

BBC News

2024年7月11日

俳優で米民主党への著名な献金者として知られるジョージ・クルーニー氏は10日、ジョー・バイデン大統領は大統領選から撤退すべきだと表明した。

クルーニー氏は、バイデン大統領はこれまで多くの戦いに勝利してきたものの、「時間との戦いにだけは勝てない」と語った。

81歳のバイデン大統領は、先月行われたドナルド・トランプ前大統領(78)とのテレビ討論会で振るわず、年齢や候補者としての適性に疑問の声が上がっている。バイデン氏本人は繰り返し、大統領選の候補に残ると強調している。

クルーニー氏は米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で、「手厳しいことを言うが」とした上で、3週間前に資金集めのイベントで会ったバイデン氏は、2010年のバイデン氏ではなかったと語った。さらに、「2020年のジョー・バイデンですらなかった」とした上で、自分が3週間前のイベントで会った大統領は、「私たち全員があの討論会で見たのと、同じだった」と指摘した。

この資金集めのイベントは、ロサンゼルスでクルーニー氏が共同主催したもの。俳優のジュリア・ロバーツ氏やバーバラ・ストレイサンド氏も出席し、一夜で3000万ドル(約48億5000万円)をバイデン陣営にもたらした。

クルーニー氏は寄稿の中で、「私たちの党の指導者たちは、私たちがたった今見たものを5100万人も見ていないなどと、そんなことを言うのをやめるべきだ」と述べた。

「これは年齢の問題だ。それだけだ」

「この大統領では、11月に勝つことはできない」

クルーニー氏はこの懸念について、自分が話をした「すべての」議員の懸念と一致すると付け加えた。

バイデン氏陣営はクルーニー氏の指摘に反撃している。匿名の関係者は米メディアに、「大統領は(資金集めのイベントに)3時間以上滞在したが、クルーニー氏はすぐに写真を撮っただけで、いなくなった」と指摘した。

また、このイベントに出席したとき、大統領は主要7カ国(G7)首脳会議に出席していたイタリアからロサンゼルスに到着したばかりだったと説明した。

バイデン氏の陣営は、大統領が民主党議員に送った書簡にも言及し、バイデン氏は自身の立候補とトランプ氏打倒を「なんとしても実現すると決意を固めている」と述べた。

しかしバイデン氏は、ワシントンで開催されている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議のホスト役を務めるなか、民主党内から厳しく注視されており、世論の批判も高まり続けている。

ペロシ元下院議長も慎重に

この数時間前には、民主党幹部のナンシー・ペロシ元下院議長が、バイデン氏が大統領選に残るべきかについての質問への明確な回答を避けた。

民主党の議員団に大きな影響力を持つペロシ氏は10日、なんとしても選挙に残るという大統領の決意をあえてくんでいないかのような答え方をした。

MSNBCの番組に出演したペロシ氏は、大統領が選挙戦に残るべきかとの質問に対し、「出馬するかどうかは大統領次第だ。決断するよう、私たちはみんなして彼に働きかけている。時間がどんどんなくなっているので」と答えた。

その一方でペロシ氏は、NATO首脳会議が開催中なだけにバイデン大統領はいま多忙だということに理解を示し、「今は少し控えましょうと、私はみんなに言った」のだと話した。

「各自が何を考えているにせよ、内々に誰かに話すのはいいが、今週がどうなるかを見るまでは公言する必要はない。しかし、私は大統領を非常に誇りに思っている」と、ペロシ氏は述べた。

6月27日の討論会以来、十数人の民主党議員が、バイデン氏は選挙戦を放棄するべきだと示唆している。

9日にはマイケル・ベネット議員(コロラド州選出)が、公に反対を表明した最初の民主党上院議員となった。

ベネット議員は、バイデン氏の撤退を求めないながらも、おそらくトランプ氏が選挙で「地滑り的」に圧勝するだろうと述べた。

翌10日午後には、上院議員として初めて、ピーター・ウェルチ氏(ヴァーモント州選出)が公の場でバイデン氏に辞退するよう求めた。ウェルチ議員は米紙ワシントン・ポストへの寄稿でも、「この国のために」バイデン氏は辞退するべきだと述べていた。

リチャード・ブルメンソール上院議員(コネチカット州選出)も、バイデン氏が選挙に勝てるかどうか「深く懸念している」と記者団に語った。

パット・ライアン下院議員(ニューヨーク州選出)は同日未明、ニューヨーク・タイムズに、「国のため、私の2人の子供のため、ジョー・バイデン氏には身を引いてもらいたい」と述べた。

バイデン陣営は、「このレースを最後まで走り抜く」という大統領の発言を繰り返している。

民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務は、12日までにバイデン氏と面会し、議員らから寄せられた懸念について話し合う予定。

バイデン氏支持の声もなお強く

だが、公職にある大多数の民主党関係者は、依然として強固に大統領を支持している。

クルーニー氏が後任候補として名前を挙げたカリフォルニア州知事のギャヴィン・ニューサム氏は、自分はまだバイデン氏を「全面支持」していると述べた。

議員約60人の議員団「ブラック・コーカス」や、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏のような進歩的な下院議員も、バイデン氏を公に支持している。

党幹部のチャック・シューマー上院議員は9日、「私はジョーと共にいる」と話した。しかし、ニュースメディア「アクシオス」によれば、シューマー氏は内々に献金者に、バイデン氏を見放す可能性もあると話しているという。

BBCがアメリカで提携するCBSニュースが取材した民主党幹部2人によると、この24時間の間に、民主党議員と献金者ら、大統領を支持するグループの間で意見が「収束」したという。

情報筋の一人は、バイデン氏が何をすべきかについて、すべての利害関係者が「ほぼ合意」に達したと語った。

首都ワシントンで開催されたNATOサミットでも、民主党の選挙運動に関する質問が渦巻いていた。

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務局長は、バイデン氏と、NATOに懐疑的なトランプ氏のどちらが来年、ホワイトハウスに座ろうとも、アメリカは同盟のメンバーであり続けると確信していると語った。

BBCは記者会見でストルテンベルグ氏に、バイデン氏の立候補が懸念されているにもかかわらず、同盟加盟国32カ国すべてがストルテンベルグ氏の楽観論を共有しているのかと質問した。

これに対しストルテンベルグ氏は、「常に懸念を無視できるとは言っていない。だが世界が危険であればあるほど、NATOの必要性は明らかだ」と答えた。

「私たち全員が団結することが全員の利益になる。それはアメリカにも当てはまる」

バイデン氏は12日に、珍しく単独の記者会見を行う。15日には、NBCニュースのインタビューを収録する予定。

大統領選の激戦州となっているペンシルヴェニア州では11日、BBCの取材に応じた民主党支持の有権者が、バイデン氏に対して複雑な感情を抱いていた。

ハリスバーグ在住のキャレン・ギルクリスト氏は、「バイデン氏は自分が話していることを正確に理解している」ので、バイデン氏の支持を固持していると語った。

しかしエリザベスタウンでは、カフェでノートパソコンに向かっていたメリッサ・ナッシュ氏が「私はトランプ氏のファンではないので、迷っている」と話した。

「でも同時に、この国を率いる強い人が必要だ」

(追加取材:レベッカ・ハートマン)

(英語記事 Top Democratic fundraiser Clooney calls on Biden to drop out

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/czq6gdyy3njo


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