2024年9月28日(土)

BBC News

2024年9月21日

日本の気象庁は21日午前、石川県の輪島市、珠洲市、能登町に大雨特別警報を発表した。「これまでに経験したことのないような大雨」になっていると発表した。この影響で23日までに複数人の死亡が確認されたほか、複数が行方不明になった。気象庁金沢地方気象台は22日午前10時10分、石川県への大雨特別警報を、大雨警報に切り替えたと発表した。

今年1月に能登半島地震に襲われた同県では21日、猛烈な雨が降り、河川の氾濫(はんらん)や土砂崩れが相次いだ。

石川県は23日、同日午後3時現在で、輪島市と珠洲市で確認された死者が計7人になったと発表した。また、この時点で道路寸断などのため孤立している集落は、輪島市、珠洲市、能登町で計14地区56カ所だという。県が発表する安否不明者の数は、23日午後4時の時点で4人。

気象庁によると、21日午前9時10分までの1時間に、輪島市中部付近で120ミリの大雨が記録的短時間で降った。

気象庁と国土交通省によると、県内の10以上の河川で氾濫が確認された。21日午後1時までに、輪島市、珠洲市、能登町で計約4万4000人以上に対して避難指示が出たほか、新潟、山形、秋田県内でも避難指示が出た。

石川県では珠洲市、輪島市、能登町などで、住宅や車が川に流されたり、土砂崩れが起きたりして、大勢が被害を受けた。地震の復旧工事中だった輪島市のトンネルで、土砂が流出し、復旧工事に当たっていた作業員たちが安否不明になった。

気象庁は21日、「特に浸水想定区域などでは、何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高く、警戒レベル5に相当します。命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です。また、土砂災害警戒区域などでも厳重な警戒が必要です」と呼びかけた。

北陸電力送配電によると、21日午後5時現在、輪島市と珠洲市、能登町の約6200戸で停電した。23日午後4時の時点で、3700戸で停電が続いている。

気象庁の杉本悟史予報課長は21日正午の記者会見で、「特別警報を発表した地域ではこれまでに経験したことのないような大雨となっている」と述べ、「ふだん災害が起きないと思われているような場所でも最大級の警戒が必要だ」と強調した。

日本では近年、異例の大雨を各地で記録しており、浸水や土砂崩れの多発によって死者が出る事態が続いている。

(英語記事 One dead and several missing after 'unprecedented' rains in Japan

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c9qvjeel7z9o


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