2024年10月6日(日)

BBC News

2024年9月25日

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は23日、ロシアとの戦争は一部の人々が考えているよりも早く終結する可能性があると述べた。

アメリカの放送局ABCニュースのインタビューでゼレンスキー大統領は、「思われているよりも平和に近づいていると思う」と語った。

また、ウクライナはロシアのウラジーミル・プーチン大統領に紛争を終わらせるよう働きかけられるが、それはウクライナ側が「強い立場」にいる場合に限られる、と付け加えた。その上で、西側の同盟国に対し再び、ウクライナ軍の強化に力を貸すよう求めた。

ゼレンスキー大統領は25日に米ニューヨークの国連総会で演説し、ジョー・バイデン米大統領を含む西側同盟国に「勝利計画」と呼ばれるものを提示する予定で、そのためにアメリカを訪れている。

訪米に先立つ声明の中でゼレンスキー氏は、この計画にはさらなる武器供与、ロシアに和平に同意させるための外交努力、2022年の全面的な侵攻に対するロシアへの責任追及が含まれていると述べた。

ABCニュースとのインタビューで、ゼレンスキー氏は、勝利プランはロシアとの交渉ではなく、むしろ「戦争を止めるための、外交的な出口への橋渡し」だと語った。

一方、ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官は24日、ウクライナの計画に関する報道についてロシアは慎重になっていると述べ、ロシアの目的が達成されたときにのみ、この紛争は終結すると語った。

ゼレンスキー氏はかねて、ウクライナがロシア領内を深く攻撃できる長距離ミサイルの使用制限を緩和するよう、西側諸国に求めてきた。ゼレンスキー氏は今回の訪米でも再び、この要請を行う予定だという。

バイデン大統領は22日、ウクライナにゴーサインを出すかどうかはまだ決めていないと述べた。ゼレンスキー氏は、アメリカがこの決定を主導する必要があると述べており、ABCのインタビューでも、「みなが(バイデン氏に)期待しているし、私たちが自衛するために必要なことだ」と語った。

ゼレンスキー氏は25日に国連総会で演説するほか、11月の米大統領選の候補であるドナルド・トランプ前大統領やカマラ・ハリス副大統領とも会う予定だ。

一方、チェコのペトル・パヴェル大統領は米紙ニューヨーク・タイムズに対し、ここ31カ月の戦争でロシアが占領した東部地域を奪還する見込みについて、ウクライナは「現実的」でなければならないと語った。

また、この戦争の最も可能性の高い結果は、ウクライナの領土の一部が数年間、ロシアの占領下に置かれることだと述べた。

パヴェル氏は、ウクライナとロシアのどちらかが敗北することは「単純にあり得ない」と述べ、紛争の終結は「その中間」になるだろうと付け加えた。

ゼレンスキー氏のアメリカ訪問は、ウクライナがロシアによる持続的な攻撃を受け続けている最中に行われた。

ウクライナ軍は8月に、ロシア南西部クルスク州に侵攻したが、ロシアによるウクライナ東部への圧力を緩和することはできなかった。

いくつかの地域では毎日のように死傷者が出ており、ウクライナのエネルギー・インフラへの被害も広がっている。ロシアがウクライナ東部の重要な町をさらに占領する可能性も懸念されている。

24日には日中、ウクライナ北東部の都市ハルキウの高層アパートに攻撃があった。

この攻撃では少なくとも3人が死亡、15人が負傷。地元当局は滑空爆弾で攻撃されたと発表した。

23日夜には、東部の町ポルタヴァへの攻撃でインフラが損壊した。南部ザポリッジャでも、「大規模な空爆」によって1人が死亡、6人が負傷した。

ロシア軍はウクライナ東部で大きく前進しており、ドンバス地方の前線南部に位置するヴフレダールに迫っている。ヴフレダールは、2022年2月の全面侵攻開始以来、ロシアが掌握を目指している町だ。

ウクライナの軍事専門家で退役大佐のコスティヤンティン・マショヴェツ氏は、ドンバス地方東部のセリドウェ、トレツク、ヴフレダールの喪失に「心理的に備える」必要があると、ウクライナ国民に警告している。

マショヴェツ氏はフェイスブックに、「私の間違いであってほしい。しかし、私が持っている情報では(中略)、これは近い将来に起こる可能性の高いシナリオだ」と投稿した。

(英語記事 War with Russia closer to end than we think - Zelensky

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c20j9q12wxvo


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