2024年9月27日(金)

BBC News

2024年9月26日

ニューヨークのエリック・アダムズ市長(64、民主党)が25日、連邦法違反で起訴された。BBCがアメリカで提携する米CBSニュースなどが伝えた。起訴内容は明らかになっていないが、アメリカで現職市長が起訴される初めての事態になる見通し。

アダムズ市長は25日夜、市長の職に留まり検察当局と「闘う」と約束する動画を公表。ニューヨーク住民に「祈りと忍耐」を求めた。

警察官出身の市長は3年前、犯罪取り締まり強化を掲げて当選した。しかしこのところ、連邦法に違反する複数の汚職疑惑が取りざたされていた。

アダムズ市長は動画で、「自分のあらゆる力とスピリットをもって、この不正と戦う」、「自分は無罪だ」と強調。「ニューヨーク市民が真実を耳にできるよう、公判をすぐに開始するよう求める」方針だとも話した。

辞任要求が相次いでいることについては、「裁判で争いながら市の運営はできないはずだからと、起訴されるなら辞任すべきだと大勢が言っている。こうやって疑惑の渦中にありながら私が職務を果たせないかもしれないと、ニューヨークの一般市民が心配するのもわかる」としたうえで、市長は「けれども自分はもう何カ月も、こうしたうそにさらされてきたのだ」として、辞任しない姿勢を示した。

アダムズ市長は26日にも初出廷する見通し。連邦検察当局はその際に、起訴状の内容を公表するとみられる。

今回の起訴に先立ち、連邦捜査局(FBI)は昨年11月、アダムズ市長の電子端末を押収したほか、選対幹部で選挙資金集めを担当していた側近の自宅を家宅捜索している。

米紙ニューヨーク・タイムズは当時、市長が選挙資金として、連邦法で外国政府からの献金を禁止されているにもかかわらず、トルコ政府から違法な献金を受け取った疑いに関する捜査の一環だと伝えていた。

ニューヨーク・マンハッタン地区の連邦検事局が、アダムズ氏が市長に当選した2021年選挙で陣営が、違法献金を得るためにトルコ政府と共謀したかを捜査していることが、後に明らかになった。

ニューヨーク・タイムズは23日、連邦刑事局がトルコのほかイスラエル、中国、カタール、韓国、ウズベキスタンの各政府に関する情報提出を市長室に命じる召喚状を送付したと伝えた。

高まる辞任圧力をよそにアダムズ氏は辞任を固辞し続けているものの、25日にはニューヨークのリベラルの間で人気の高い、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(民主党)も市長の辞任を求めた。

「アダムズ市長が今後どうやってニューヨーク市の統治を続けられるのか、わからない」、「この街のため、辞任すべきだ」と議員はソーシャルメディアに投稿した。

オカシオ=コルテス議員は、「辞任や空席が相次いでいる」ことが市政運営に影響を及ぼしているとも懸念を示した。

FBIに携帯電話などを押収されていたニューヨーク市警のエドワード・カバン本部長は13日に辞任。トマス・ドンロン本部長代行も13日に家宅捜索を受けた。今月に入り、市の主任法務顧問や市保健局トップも辞任している。

アダムズ市長は来年の市長選で再選を目指しているものの、同じ民主党内から出馬する対抗馬が増え続けている。

アダムズ市長と親しいニューヨーク州のキャシー・ホークル州知事(民主党)は、まだコメントしていない。知事には市長を解任する権限がある。

アダムズ氏がもし解任された場合は、ジュマーニ・ウィリアムズ市政監督官が残る任期の代行を務める見通し。

(英語記事 New York City Mayor Eric Adams indicted on federal charges

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cn8j4630569o


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