野球の米大リーグ(MLB)ロサンゼルス・ドジャース所属の大谷翔平選手(30)が「50本塁打、50盗塁(50- 50)」を決めたホームランボールが、オークションにかけられることになり、高額での落札が予想されている。こうしたなか、18歳の野球ファンが25日、ボールの正当な所有者は自分だとする訴訟を起こした。
大谷選手は今月19日のマイアミ・マーリンズとの試合で、7回に50号本塁打を放ち、MLB史上初のシーズン「50- 50」を達成。野球の新たな歴史をつくった。試合はドジャースが20対4で勝利した。
翌日、オークション会社「ゴールディン」は匿名のファンから連絡を受け、その後に記念ボールの出品を決めた。最低入札額は50万ドル(約7260万円)で、450万ドル(約6億5300万円)の即決価格も設定された。
しかし、マックス・マタスさんが25日、フロリダ州の第11司法巡回裁判所で訴訟を提起。大谷選手の50号本塁打のボールをつかんだが、別のファンが自分の手からボールを奪い取ったと主張した。
マタスさんは、ボールは一時的に自分の手の中にあったが、「クリス・ベランスキー」と名乗る男性が「マックスの腕に両足を巻きつけ、両手を使ってマックスの手からボールを奪い取り、ボールを盗んで自分のものにした」としている。
訴訟では、オークション会社、ベランスキーさん、ベランスキーさんと一緒に観戦していたケルヴィン・ラミレズさんを被告として相手取っている。
提訴の書類には、マタスさんが自分の主張を裏付けるものだとする、他のファンらによって撮影された写真が含まれている。写真の一つには、ぼう然とするマタスさんの前でベランスキーさんがボールを見せびらかしているとされる場面が写っている。
ゴールディンは米スポーツ専門局ESPNに対し、マタスさんの主張を検討した上で、オークションを進めると述べた。
原告は訴状で、「唯一でかけがえのない『50-50』のボールであることから、マックスは回復不能な損害を被っている」、「唯一で特別な『50-50』ボールに代わる適切な救済は法律にはない」と主張している。
(英語記事 Fan files legal claim over Ohtani's 50-50 ball auction)