
ジョー・バイデン米大統領は17日、暴力事件でない薬物犯罪で有罪判決を受けた約2500人の刑を減刑すると発表した。バイデン氏は20日に退任する。
バイデン大統領は、非暴力的な薬物事件で有罪となった受刑者が、「現在の法律、政策、慣行の下で受けるはずの刑罰と比べて、不当に長い刑に服している」として、自分がその量刑を減刑することで「歴史的な過ちを正す」のだと説明した。
バイデン氏は自分が「アメリカ史上、他のどの大統領よりも多く、個別の恩赦と減刑を行った」とも述べた。
バイデン氏は昨年12月には、連邦死刑囚40人のうち37人の刑を減刑したほか、大勢について減刑や恩赦を発表。対象者の中には、息子のハンター・バイデン氏も含まれていた。
バイデン大統領は今回の恩赦について、「クラック・コカインと粉末コカインの違いについてすでに否定されている分類に基づき、長期刑を受けた人や、薬物犯罪に対する時代遅れの厳罰化措置によって長期刑を受けた人」が、対象となると話した。
バイデン氏は上院議員だった1986年、薬物犯罪への量刑格差を設ける法案を作成したものの、2022年にはそのガイドライン廃止を支持した。
バイデン氏は17日、近年の法制を通じて連邦議会がすでに「こうした量刑の格差を是正すべき」と認識していると指摘した。
アメリカの「麻薬戦争」に対する取り組みの変化が、政治家を長年務めたバイデン氏の姿勢の変化にも反映されている。アメリカでは1970年代から、薬物犯罪に厳罰を適用。特に多くの人種的少数者が、厳罰の対象となった。
「今回の措置は、歴史的な過ちを正し、量刑の格差を是正し、刑務所で長すぎる時間を過ごしてきた(減刑に)ふさわしい人たちが、家族やコミュニティに戻る機会を提供するための、重要な一歩」だと、バイデン氏は説明した。
「私は恩赦に関する自分の記録を誇りに思っている。今後も追加の減刑と恩赦を検討し続ける」とも、大統領は述べた。
(英語記事 Biden commutes sentences of 2,500 non-violent drug offenders)